球団のあゆみ

2010年代



2010年
2月1日~3月2日
第11回浦添キャンプ
2月1日~14日
沖縄県島尻郡八重瀬町東風平キャンプ(ファーム第1次キャンプ)
2月15日~3月1日
宮崎県西都市西都キャンプ(ファーム第2次キャンプ)
4月2日
新外国人選手のバーネット投手が、対横浜1回戦(神宮)に初先発し、7回無失点、11奪三振で、初登板・初勝利を飾る。来日初登板で2ケタ奪三振勝利投手はプロ2人目、セ・リーグでは初の快挙。
4月9日
宮本慎也内野手が、対阪神1回戦(甲子園)の8回無死一塁で投前犠打を決め、プロ入り通算350犠打を達成(プロ3人目)
4月23日
ルーキーの中澤雅人投手が、対横浜4回戦(横浜)で4安打完封し、今季の新人投手の中では完封一番乗り。球団の新人での完封は16年ぶり。なお打撃でも3安打猛打賞も記録しており、新人投手が完封と猛打賞を記録したのはドラフト制度後(1966年以降)初。
5月27日
高田繁監督が休養、代わって小川淳司ヘッドコーチが監督代行に就任。
6月2日
相川亮二捕手が、交流戦・対福岡ソフトバンク4回戦(ヤフードーム)に先発出場し、通算1000試合出場を達成(プロ435人目)
6月26日
対阪神7回戦(神宮)において、「同じ場所で一斉にカンパイをした人数」のギネス世界記録に挑戦した結果、27,126名が乾杯に参加し、ギネス世界記録に認定。
7月4日
青木宣親外野手が、対中日11回戦(秋田)の6回一死、平井投手から左翼二塁打を放ち、通算1,000本安打を達成(プロ258人目)。出場770試合での到達は史上2位のスピード記録。
8月8日
対横浜14・15・16回戦(横浜)の3連戦を16-4、10-7、11-4で3連勝。3連戦の安打数が55安打となり、連続3試合での安打数のセ・リーグ新記録をマーク。
9月16日
石川雅規投手が、対巨人22回戦(神宮)で先発・勝利投手となり、7月10日の対広島9回戦から10連勝の球団新記録を達成。なお石川投手は開幕から6連敗をしており、そのシーズンで6連敗以上した投手が、その後に10連勝したのはプロ野球2人目、セ・リーグでは初。
9月16日
青木宣親外野手が、対中日22回戦(神宮)の4回二死に、ネルソン投手から右中間ツーベースを打ち、今季の二塁打が42本目となる球団新記録を達成。
9月25日
青木宣親外野手が、対巨人23回戦(神宮)で2安打を放ち、今季65度目のマルチ安打で、自身の持つ64度のセ・リーグ記録を更新。
9月26日
青木宣親外野手が、対中日23回戦(神宮)の初回に先頭打者本塁打を放ち、今季200本安打を達成、2005年以来シーズン2度目の200本安打はプロ野球初。
10月5日
青木宣親外野手が、対阪神24回戦(神宮)の5回裏、能見投手から中前安打を放ち、今季205安打でシーズン最多安打の球団新記録を達成。
10月10日
対広島24回戦(神宮)にて今季の全日程を終了、青木宣親外野手は、この日も2安打を記録し、シーズン最多安打の球団記録を209まで更新すると同時に、自身3度目の首位打者が確定。3度の首位打者は球団初、シーズン打率.3584は球団新記録。
11月4日~21日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)

高田監督休養も小川代行で驚異の巻き返し
前年のクライマックスシリーズ(CS)初出場を自信に、さらなる飛躍を誓った高田繁監督3年目のシーズン。そのスタートは決して悪くはなかった。巨人の本拠地・東京ドームに乗り込んでの開幕戦は石川雅規で落としたものの、続く2戦目、3戦目を由規、村中恭兵の若手コンビでモノにすると、3月31日の中日戦まで4連勝。黒星1つを挟んで4月2日、3日の横浜戦にも連勝し、この時点で同率2位の巨人、阪神に1ゲーム差をつけて首位に立っていた。

ところが打撃好調だった青木宣親とガイエル、デントナの外国人コンビが不振に陥ると、歩調を合わせるようにチームも失速。4月末には最下位に転落し、交流戦では開幕から出口の見えないトンネルに入り込んだ。1勝もできないまま迎えた5月26日の東北楽天戦も逆転負けで9連敗、借金19となったところで高田繁監督が休養を発表。小川淳司ヘッドコーチが監督代行として指揮を執ることが決まった。

小川監督代行の初陣は引き分けに終わったものの、続く5月29日のオリックス戦で石川がシーズン初勝利を挙げてチームの連敗を止めると、そこから巻き返しが始まる。6月は14勝8敗の快進撃で一気に4位に浮上。青木を一番に戻し、緊急獲得したホワイトセルを四番に据えた打線が当たりを取り戻し、7月に入ると本来は内野手の畠山和洋を左翼で起用することで、さらにパワーを増した。

7、8月とも勝ち越し、8月24日にはついに借金を完済。7月は石川、8月は館山昌平が月間MVPとなり、9月も4ヶ月連続の勝ち越しを決めると今度は青木が月間MVPに輝いた。最後は貯金を4まで増やしながら、2年連続のCS進出には届かなかったものの、この驚異的な巻き返しは「メイク・ミルミル」と称された。

石川は開幕6連敗と大きく出遅れながら、7月10日からはシーズン11連勝の球団新記録を樹立するなど、チーム最多の13勝をマーク。館山は12勝、8月26日の横浜戦で日本人最速(当時)の161キロを記録した由規も12勝を挙げ、11勝の村中とともに2ケタ勝利カルテットを形成した。

打っては青木が自身2度目のシーズン200安打到達で、3度目の首位打者に。田中浩康は自身初の打率3割を達成した。途中入団のホワイトセルが主に四番で打率.309、15本塁打、後半戦は五番に座った畠山が打率.300、14本塁打。ほかにもガイエル16本、飯原誉士、デントナ各15本など、2ケタ本塁打は7人を数えた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
中日ドラゴンズ
144
79
62
3
.560
2
阪神タイガース
144
78
63
3
.553
1.0
3
読売ジャイアンツ
144
79
64
1
.552
1.0
4
東京ヤクルトスワローズ
144
72
68
4
.514
6.5
5
広島東洋カープ
144
58
84
2
.408
21.5
6
横浜ベイスターズ
144
48
95
1
.336
32.0

主なラインナップ(監督:高田繁→小川淳司)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
青木宣親
28
.358
14
63
2(二)
田中浩康
28
.300
4
54
3(右)
飯原誉士
27
.270
15
48
4(一)
ホワイトセル
28
.309
15
53
5(左)
畠山和洋
28
.300
14
57
6(捕)
相川亮二
34
.293
11
65
7(三)
宮本慎也
40
.276
4
39
8(遊)
川端慎吾
23
.298
1
21
9(投)
※先発投手
デントナ
28
.245
15
50
ガイエル
38
.199
16
41
福地寿樹
35
.246
1
11
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
石川雅規
30
28
13-8-0
3.53
由規
21
25
12-9-0
3.60
館山昌平
29
21
12-7-0
2.93
村中恭兵
23
28
11-10-0
3.44
林昌勇
34
53
1-2-35
1.46
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
首位打者
青木宣親(3回)
ベストナイン(外野手)
青木宣親(6回)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(三塁手)
宮本慎也(2回)(他に遊撃手で6回)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
青木宣親(5回)
月間MVP(7月度・投手部門)
石川雅規
月間MVP(8月度・投手部門)
館山昌平
月間MVP(9月度・野手部門)
青木宣親
特別賞
青木宣親
(シーズン209安打のセ・リーグ新記録)


2011年
2月1日~27日
第12回浦添キャンプ
2月1日~13日
沖縄県島尻郡八重瀬町東風平キャンプ(ファーム第一次キャンプ)
2月14日~27日
宮崎県西都市西都キャンプ(ファーム第二次キャンプ)
4月22日
対広島1回戦(マツダ)を山本斉-松岡-林昌勇のリレーで完封勝利、20日・21日の対中日1・2回戦(神宮)の由規、館山の完封に続き、球団タイ記録の3試合連続完封勝利を達成、32年ぶり5度目。
5月4日
林昌勇投手が、対中日5回戦(神宮)でセーブをマークし、通算100セーブを達成、(プロ23人目)通算173試合目での達成はプロ4番目のスピード記録。
5月14日
石川雅規投手が、対横浜5回戦(横浜)で先発し、完投こそ逃したものの8回2/3を無失点に抑えて勝ち投手となり、通算100勝を達成(プロ128人目)球団史上、金田正一氏に続く2番目のスピード記録。
5月14日
田中浩康内野手が、交流戦・対北海道日本ハム1回戦(札幌ドーム)の1回表に送りバントを決め、通算200犠打を達成(プロ30人目)
8月2日
対中日10回戦を1-0の勝利で、小川淳司監督が昨年の代行時を含め監督通算100勝を達成、176試合目での100勝到達は高田繁前監督の200試合を抜く球団最速記録。
8月10日
七條祐樹投手が、対広島13回戦(マツダ)で先発、7回無失点で開幕から無傷の4連勝、新人投手の開幕から4連勝は球団史上初。
8月14日
ホワイトセル内野手が、対阪神11回戦(神宮)の9回に代打で出場、福原投手から2ランを放ち、代打では5月25日のオリックス戦から3打席連続ホームランを記録、代打3打席連続本塁打はプロ野球4人目のタイ記録。
9月10日
久古健太郎投手が、対阪神15回戦(神宮)の7回に登板し、上位打線を三者凡退に退け、22試合連続無失点の新人記録を達成。
10月25日
対広島24回戦(神宮)を9回裏逆転サヨナラで勝利し、今季の全日程を終了、今季のシーズンを70勝59敗の2位で終え、2年ぶり2回目のクライマックス出場を決める。宮本慎也内野手が、リーグ3位の打率 .302を記録、41歳シーズン以上で打率3割はプロ野球4人目、41歳で打率3傑入りは56年ぶりの最年長記録。宮本慎也内野手は、今季の守備機会292のうち失策は1つだけで、守備率 .997の三塁手シーズン最高守備率を達成した。
11月24日
ゴールデングラブ受賞者が発表され、宮本慎也内野手が3年連続、青木宣親外野手が6年連続の受賞、宮本慎也選手の41歳での受賞は史上最年長。
11月28日
ベストナインが決定し、三塁手で宮本慎也選手、外野手で青木宣親選手がゴールデングラブに続き受賞、宮本慎也選手のベストナイン受賞もプロ最年長記録。
11月13日~22日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)

序盤からの快進撃も優勝目前で失速
前年途中から指揮を執り、驚異的な巻き返しを演出した小川淳司監督代行が、正式に監督に就任。3月11日に発生した東日本大震災の影響で、2週間遅れで迎えた開幕はいきなり3連敗とつまづいた。しかし、直後の9連勝(1分け挟む)で一気に首位に躍り出ると、そのまま突っ走る。

4月は打率.400をマークした宮本慎也が40歳5ヶ月で初の月間MVPに輝くと、5月は打率.397、7本塁打の新外国人・バレンティンが月間MVPに。交流戦ではわずかに負け越したものの、館山昌平が4勝0敗、防御率0.44の好成績を残すなど、セ・リーグの首位を快走した。

前半戦終了時点で、セ6球団で唯一貯金を作り、2位に8ゲーム差をつける独走態勢。10年ぶりのリーグ優勝はもはや時間の問題かと思われた。ところが8月に入って林昌勇と館山が相次いで離脱すると、この月は7勝15敗とシーズン初の負け越し。その間に猛追してきたのが中日だった。

その後も由規、村中恭兵、バーネットらが相次いで故障。5月に通算100勝を達成した石川雅規、ルーキーながら中継ぎで安定した投球を続けていた久古健太郎、そしてチームの精神的支柱である宮本慎也はそろって肺炎で離脱。満身創痍のチームは10月4日からの阪神3連戦で3タテされると、10月1日から5連勝の中日に抜かれて2位に転落した。さらに逆転優勝に望みをかけて敵地・ナゴヤドームに乗り込んだ10月10日からの対中日4連戦に全敗。10年ぶりの優勝は夢と消えたが、最後は巨人の追い上げをかわして2位でフィニッシュした。

2007年の制度導入以来、初めて本拠地・神宮で行うクライマックスシリーズ・ファーストステージの相手は巨人。その初戦は中盤に宮本の適時打で勝ち越すと、6回から登板した村中が巨人の反撃を1点に抑えて先勝。第2戦は敗れたが、最終第3戦は先発・赤川克紀から押本健彦を挟んで、最後は村中につなぐリレーで快勝し、初のファイナルステージ進出を決めた。

そのファイナルステージでは、“鬼門”のナゴヤドームで中日を相手に初戦を落としたものの、続く第2、第3戦に連勝して対戦成績は2勝2敗の五分(中日は1勝のアドバンテージを含む)。しかし、第4戦は赤川で敗れると、第5戦は救援登板から中2日の館山が、その影響を感じさせない好投を見せながらも6回に力尽き、10年ぶりの日本シリーズ出場には届かなかった。

館山は右手指の血行障害による離脱がありながらも、4年連続の2ケタ勝利となる11勝をマーク。石川も10勝で4年連続9度目の2ケタ勝利を挙げた。打線はこの年から導入された統一球の影響もあって全体的に低調だったが、バレンティンは31本塁打で来日1年目にして本塁打王を獲得。宮本はリーグ3位の打率.302に加え、史上最年長でのベストナイン、ゴールドグラブ賞に輝くなど、衰え知らずの活躍だった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
中日ドラゴンズ
144
75
59
10
.560
2
東京ヤクルトスワローズ
144
70
59
15
.543
2.5
3
読売ジャイアンツ
144
71
62
11
.534
3.5
4
阪神タイガース
144
68
70
6
.493
9.0
5
広島東洋カープ
144
60
76
8
.441
16.0
6
横浜ベイスターズ
144
47
86
11
.353
27.5

主なラインナップ(監督:小川淳司)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
青木宣親
29
.292
4
44
2(二)
田中浩康
29
.252
1
40
3(一)
ホワイトセル
29
.247
12
33
4(左)
畠山和洋
29
.269
23
85
5(右)
バレンティン
27
.228
31
76
6(三)
宮本慎也
41
.302
2
35
7(遊)
川端慎吾
24
.268
4
46
8(捕)
相川亮二
35
.244
1
33
9(投)
※先発投手
森岡良介
27
.256
0
6
内/外
武内晋一
28
.216
2
11
飯原誉士
28
.126
0
8
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
館山昌平
30
26
11-5-0
2.04
石川雅規
31
27
10-9-0
2.73
増渕竜義
23
27
7-11-0
4.22
由規
22
15
7-6-0
2.86
林昌勇
35
65
4-2-32
2.17
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多本塁打
バレンティン(初)
ベストナイン(三塁手)
宮本慎也(初)
ベストナイン(外野手)
青木宣親(7回)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(三塁手)
宮本慎也(3回)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
青木宣親(6回)
月間MVP(4月度・野手部門)
宮本慎也
月間MVP(5月度・野手部門)
バレンティン


2012年
2月1日~28日
第13回浦添キャンプ
2月1日~4日
神宮キャンプ(ファーム第一次キャンプ)
2月5日~3月2日
宮崎県西都市西都キャンプ(ファーム第二次キャンプ)
3月30日
開幕戦を現12球団の中で唯一、完封負けのなかった巨人に4-0の完封勝利、開幕戦完封勝利は球団史上初、また5年連続・7度目の開幕投手、石川雅規投手は9回一死までノーヒット・ノーランの快投で開幕戦通算4勝目の球団新記録を達成。
4月5日
宮本慎也内野手が、対阪神2回戦(神宮球場)の1回表に平野の三邪飛を捕球し、三塁手の連続守備機会無失策を215としてセ・リーグ記録を更新。
5月4日
宮本慎也内野手が、対広島6回戦(神宮球場)の2回裏に福井投手からセンター前ヒットを打ち、プロ野球40人目となる2,000本安打を達成、大学、社会人を経由した選手では古田敦也元監督以来2人目の快挙、41歳5ヶ月での達成はプロ野球最年長記録、2,000本安打達成者で本塁打59本は最少だが、単打1,646本は最多記録。
6月11日
宮本慎也内野手が、交流戦の対埼玉西武4回戦(神宮球場)に6番・三塁手で先発出場し、通算2,000試合出場を達成(プロ野球45人目)
6月22日
田中浩康内野手が、対巨人9回戦(長野)の1回表に送りバントを決め、通算250犠打を達成(プロ野球14人目)
8月9日
ロマン投手が対横浜DeNA16回戦(神宮球場)で完封勝利、これで3試合連続完投勝利、2試合連続完封勝利となり、ともに外国人選手では球団史上初。
8月21日
石川雅規投手が、対巨人15回戦(神宮球場)の5回に谷選手から空振り三振を奪い通算1,000奪三振を達成(プロ野球132人目)
9月26日
宮本慎也内野手が、対阪神21回戦(神宮球場)の3回、投前に送りバントを決めて、通算400犠打を達成(プロ野球3人目)。なお、同選手は6月に2,000本安打も達成しており、400犠打と2,000本安打の両方を達成したのはプロ野球初。
9月26日
福地寿樹外野手が、対阪神21回戦(神宮球場)に先発出場し、通算1,000試合出場を達成(プロ野球457人目)
10月4日
福地寿樹外野手が、対広島24回戦(マツダスタジアム)の6回に二盗を決め、通算250盗塁を達成(プロ野球44人目)
10月9日
今季全日程が終了、チームは3位に入り、2年連続・3回目のクライマックスシリーズ出場が決定。
10月9日
バレンティン外野手が2年連続本塁打王を獲得、同外野手は今季の規定打席に到達しておらず、規定打席以下での本塁打王は1950年以降の2リーグ制になってからは初めての記録、バーネット投手は33セーブで初の最多セーブを獲得。
10月15日
中日とのクライマックスシリーズ・1stステージ(ナゴヤドーム)を1勝2敗で敗退。
11月5日~21日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)
11月8日
今季の三井ゴールデングラブ賞が発表され、一塁手に畠山和洋内野手、二塁手に田中浩康内野手、三塁手は宮本慎也内野手が獲得。内野手3ポジションでの受賞は2002年以来10年ぶり、宮本慎也内野手の42歳での受賞は昨年自ら樹立した41歳11ヶ月を更新するプロ野球最年長記録。

宮本が2000安打達成!2年連続CS進出
前年、土壇場で優勝をさらわれた悔しさを胸に、雪辱を期したシーズン。敵地・東京ドームで行われた開幕戦では、5年連続7度目の開幕投手に起用された石川雅規があわやノーヒットノーランの快投を見せ、新守護神・バーネットとの完封リレーで幸先のいい勝利を飾った。

4月20日からは引き分けを挟んで6連勝するなど、4月末の時点で15勝8敗2分けで単独首位。5月4日の広島戦では超満員の大観衆の前で、宮本慎也が大学、社会人経由では史上2人目の通算2000安打を達成するなど、チームのムードは最高潮だった。ところが交流戦2戦目の福岡ソフトバンク戦から、チームとしては39年ぶりの10連敗を喫するなど失速。交流戦は9勝15敗で最下位に沈み、リーグ戦再開の時点では3位に後退していた。

オールスター直前には、この年から「横浜DeNA」となったベイスターズに3連敗を喫し、4位に転落。7、8月と負け越しが続き、なかなかAクラス復帰のきっかけをつかめなかった。それでも勝負どころの9月、11日から始まった9連戦に8勝1敗と大きく勝ち越すと、広島を抜いてついに3位に浮上。最後は広島に6.5ゲーム差をつけ、3位で2年連続クライマックスシリーズ(CS)出場を決めた。

CSファーストステージの舞台は、2009年第1ステージ、2011年ファイナルステージと、ことごとく敗れ去ってきた中日の本拠地・ナゴヤドーム。初戦は敗れたものの、続く第2戦はバレンティンの一発で挙げた虎の子の1点を先発・館山昌平以下、4人の継投で守り切り、逆王手をかけた。最終第3戦も2回に先制すると、先発の村中恭兵から押本健彦、赤川克紀とつないでリードを守ったが、8回裏に山本哲哉を挟んで登板したバーネットが中日の五番・ブランコに逆転満塁本塁打を被弾。1勝2敗でまたしても涙を呑んだ。

投手陣は石川、館山、村中、赤川、ロマンがほぼ一貫してローテーションを守り、館山、村中が2ケタ勝利をマーク。ロマンは9勝どまりだったが、8月には2試合連続完封を記録するなど、来日1年目から大きな戦力となった。また、林昌勇の出遅れで開幕から抑えを任されたバーネットが、33セーブで岩瀬仁紀(中日)とタイトルを分け合った。

打線では、バレンティンがファーム落ちや故障などで規定打席には到達しなかったものの、前年と同じ31本塁打で2年連続本塁打王を獲得。来日1年目のミレッジもリーグ5位の打率.300、21本塁打でメジャー移籍した青木宣親の穴を十分に埋めた。また、川端慎吾は3割にはわずかに届かなかったが、打率.298でリーグ7位に食い込んだ。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
144
86
43
15
.667
2
中日ドラゴンズ
144
75
53
16
.586
10.5
3
東京ヤクルトスワローズ
144
68
65
11
.511
20.0
4
広島東洋カープ
144
61
71
12
.462
26.5
5
阪神タイガース
144
55
75
14
.423
31.5
6
横浜DeNAベイスターズ
144
46
85
13
.351
41.0

主なラインナップ(監督:小川淳司)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(左)
ミレッジ
27
.300
21
65
2(二)
田中浩康
30
.274
2
40
3(遊)
川端慎吾
25
.298
4
49
4(一)
畠山和洋
30
.266
13
55
5(右)
バレンティン
28
.272
31
81
6(三)
宮本慎也
42
.267
3
23
7(中)
福地寿樹
37
.255
0
19
8(捕)
中村悠平
22
.254
1
15
9(投)
※先発投手
相川亮二
36
.245
1
28
森岡良介
28
.249
1
18
上田剛史
24
.257
0
12
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
館山昌平
31
25
12-8-0
2.25
村中恭兵
25
25
10-7-0
3.88
ロマン
34
26
9-11-0
3.04
赤川克紀
22
28
8-9-0
3.79
バーネット
29
57
1-2-33
1.82
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多セーブ
バーネット(初)
最多本塁打
バレンティン(2回)
ベストナイン(二塁手)
田中浩康(2回)
ベストナイン(外野手)
バレンティン(初)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(一塁手)
畠山和洋(初)
ゴールデン・グラブ賞(二塁手)
田中浩康(初)
ゴールデン・グラブ賞(三塁手)
宮本慎也(4回)
月間MVP(3・4月度・野手部門)
バレンティン
月間MVP(3・4月度・投手部門)
館山昌平
月間MVP(9月度・投手部門)
館山昌平


2013年
2月1日~21日
第14回浦添キャンプ
2月1日~27日
ファーム西都キャンプ
4月3日
宮本慎也内野手が、対広島2回戦(マツダスタジアム)に先発出場し、通算2,063試合の球団最多試合出場を達成。
新人の小川泰弘投手が同日に初先発、6回を2失点で勝ち投手となり、初登板・初勝利を達成、球団では11年6月28日の七條祐樹投手以来、2年ぶり13人目。
5月16日
畠山和洋内野手が、対千葉ロッテ1回戦(神宮球場)の9回裏に逆転サヨナラ満塁本塁打を記録、球団のサヨナラ満塁本塁打は過去3人いるが、逆転となると球団史上初。
5月24日
宮本慎也内野手が、対北海道日本ハム2回戦(札幌ドーム)の2回表に遊撃内野安打を放ち、通算2,098本の球団右打者最多安打記録を達成。
5月28日
相川亮二捕手が、対オリックス1回戦(神宮球場)の9回裏に平野圭投手からライト前ヒットを打ち、通算1,000本安打を達成(プロ野球272人目)
6月12日
ウラディミール・バレンティン外野手が対ソフトバンク3回戦(ヤフオクドーム)の1回表に先制2ランを放ち、プロ野球タイとなる4打数連続本塁打を記録(過去18人・19度目)、球団では2003年に古田敦也捕手が記録して以来2人目。
6月24日
オールスターのファン投票結果が発表され、宮本慎也内野手が42歳8か月のセ・リーグ最年長選出記録を更新、なお、ウラディミール・バレンティン外野手は328,032票を集めセ・リーグ最多得票を獲得して選出決定。
7月13日
小川泰弘投手が対広島9回戦に先発し、今季セ・リーグ10勝一番乗りを達成、新人の10勝一番乗りはセ・リーグでは14年ぶり4人目(球団では初)、なお、この試合でウラディミール・バレンティン外野手が30・31号本塁打を連発し、昨年に続き今季も30号両リーグ一番乗りを果たした、2年連続両リーグ30号一番乗りは過去7人で9度目、球宴前の30号到達は球団史上初。
7月27日
小川泰弘投手が対広島12回戦に先発し、7回3失点で今季11勝目、これで自身6連勝となり、新人選手の球団連勝記録を更新。
8月4日
ウラディミール・バレンティン外野手が対広島16回戦(神宮球場)の5回裏にバリントン投手から今季38号本塁打を放ち、通算100本塁打を達成(プロ野球270人目)、出場326試合目での100号は史上7位のスピード記録、球団では最速。
8月22日
ウラディミール・バレンティン外野手が対巨人16回戦(神宮球場)の5回裏に澤村投手から45号本塁打を放ち、球団のシーズン最多本塁打を更新。
8月25日
ウラディミール・バレンティン外野手が対広島19回戦(マツダスタジアム)の3回表に戸田投手から48号本塁打、これで今月14本目の本塁打となり球団の月間最多本塁打を更新。
8月28日
ウラディミール・バレンティン外野手が対中日20回戦(神宮球場)の9回裏に山本昌投手から51号本塁打、今月17本目で月間最多本塁打のプロ野球記録を更新。
9月15日
ウラディミール・バレンティン外野手が対阪神20回戦(神宮球場)の1回裏に榎田投手から今季56号本塁打を放ち、シーズン最多本塁打のプロ野球記録を49年ぶりに更新、また3回裏にも2打席連続で57号本塁打を連発、これで今季の1試合2本以上本塁打が11試合目となりプロ野球タイ記録と並ぶ。
9月21日
藤本敦士内野手、対阪神21回戦(甲子園球場)の7回表に代打出場し、通算1,000試合を達成(プロ野球459人目)
9月24日
石川雅規投手が、対巨人18回戦(神宮球場)で先発し完投勝利、最後の打者を遊ゴロに打ち取って2,000投球回数を達成(プロ野球86人目)
9月24日
イースタン・リーグの対東北楽天戦(戸田球場)で、延長10回の末6-5のサヨナラ勝利し、5年ぶり6度目のイースタン・リーグ優勝が決定。
9月29日
田中浩康内野手が、対横浜DeNA23回戦(神宮球場)の6回裏に代打出場し、通算1,000試合出場を達成(プロ野球461人目)
10月8日
今季全日程が終了、順位は6年ぶりの最下位に沈んだが、小川泰弘投手が最多勝を獲得、新人選手の単独最多勝は14年ぶり11人目、また今季から復活した最高勝率のタイトルも獲得した。打者ではウラディミール・バレンティン外野手が3年連続の本塁打王と最高出塁率のタイトルを受賞、プロ野球記録を更新した本塁打は60本まで伸ばし、7割7分9厘の長打率も27年ぶりに更新するプロ野球新記録。
11月1日~21日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)
11月25日
小川泰弘投手が新人王に選出される、球団では8年ぶり10人目。
11月26日
プロ野球コンベンションが行われ、ウラディミール・バレンティン外野手が今季セ・リーグの最優秀選手に選ばれる、球団では12年ぶり7人目だが、最下位チームからの選出はプロ野球史上初。

バレンティン日本新60本塁打、小川は最多勝で新人王
館山昌平を初の開幕投手に起用して臨んだ阪神との開幕戦は、一度は3点のビハインドを跳ね返しながら、救援陣が打たれて大敗。それでも続く第2戦を石川雅規の好投でモノにすると、そこから八木亮祐、村中恭兵、そしてルーキーの小川泰弘が続き、4連勝で貯金を3とした。

だが、これがピークだった。4月5日の横浜DeNA戦で途中降板した館山は、右ヒジじん帯の断裂で再建手術を受けることになり、翌6日の同カードでは相川亮二が左肩鎖関節を亜脱臼して戦線を離脱。開幕投手と正捕手を失ったチームは11日からの4連敗で借金生活に転じると、17日からは5連敗で最下位に転落した。

直後の6連勝で3位まで巻き返すも、交流戦で7勝16敗1分けと大きく負け越してどっぷり最下位に沈むと、その後は浮かび上がることはなかった。シーズン最下位は古田敦也兼任監督時代の2007年以来、6年ぶりのこととなった。

チームは低迷したものの、来日3年目のバレンティンがそのバットで球界を席捲した。オランダ代表として出場した開幕前のWBCで、左足内転筋を痛めて出遅れながらも、6月からはハイペースでアーチを量産。7月13日には早くも30号に到達すると、8月は月間新記録の18本塁打を放ち、日本記録の55本塁打を射程圏内に捉えた。

そして9月11日の広島戦で日本タイ記録の55号を放つと、15日の阪神戦で56号、57号を連発して日本記録を49年ぶりに更新。惜しくも三冠王は逃したが、本塁打記録を60本まで伸ばしたバレンティンは、最下位チームからは史上初のMVPに選出された。

打の主役がバレンティンなら、投の主役はルーキーの小川だった。プロ初先発となった4月3日の広島戦から3連勝を飾ると、その後も順調に勝ち星を積み重ね、7月13日にはセ・リーグ一番乗りで2ケタ勝利に到達。最後は15勝の前田健太(広島)をかわして16勝で最多勝を獲得し、勝率第1位、そして球団史上10人目の新人王にも輝いた。

しかし、2ケタ勝利はこの小川だけで、シーズンを通してローテーションを守った石川、八木もそれぞれ6勝、5勝にとどまった。救援ではバーネットが故障による離脱もあって7セーブに終わったが、山本哲哉が11セーブ、ルーキーの石山泰稚が10セーブと、交互にその穴を埋めた。

打線は相次ぐ主力の故障でメンバーを固定できず、規定打席に到達したのはバレンティンだけだったが、3年目の山田哲人が5月下旬から正二塁手に定着して打率.283をマークしたのが光った。また、チーム一筋に19年プレーした宮本慎也が、この年限りで惜しまれつつユニホームを脱いだ。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
144
84
53
7
.613
2
阪神タイガース
144
73
67
4
.521
12.5
3
広島東洋カープ
144
69
72
3
.489
17.0
4
中日ドラゴンズ
144
64
77
3
.454
22.0
5
横浜DeNAベイスターズ
144
64
79
1
.448
23.0
6
東京ヤクルトスワローズ
144
57
83
4
.407
28.5

主なラインナップ(監督:小川淳司)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(二)
山田哲人
21
.283
3
26
2(中)
上田剛史
25
.257
4
22
3(左)
ミレッジ
28
.251
16
49
4(右)
バレンティン
29
.330
60
131
5(一)
畠山和洋
31
.219
12
51
6(三)
川端慎吾
26
.311
5
37
7(遊)
森岡良介
29
.247
1
21
8(捕)
中村悠平
23
.234
4
24
9(投)
※先発投手
相川亮二
37
.279
6
30
川島慶三
30
.213
4
14
宮本慎也
43
.266
0
17
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
小川泰弘
23
26
16-4-0
2.93
石川雅規
33
24
6-9-0
3.52
八木亮祐
23
26
5-13-0
4.44
村中恭兵
26
25
5-9-0
5.00
山本哲哉
28
64
1-3-11
2.87
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀新人
小川泰弘(初)
最多勝利
小川泰弘(初)
勝率第一位投手
小川泰弘(初)
最多本塁打
バレンティン(3回目)
最高出塁率
バレンティン(初)
ベストナイン(外野手)
バレンティン(2回目)
特別功労賞
宮本慎也


2014年
2月1日~27日
第15回浦添キャンプ
2月1日~27日
ファーム西都キャンプ
3月28日
プロ野球開幕、開幕戦の横浜DeNA1回戦(神宮球場)で、新人の西浦直亨内野手がプロ初打席の1回一死一、三塁で三嶋投手から初球本塁打、初打席での本塁打は過去55人いるが初球は11人目、開幕戦となるとプロ野球史上初の快挙。
6月11日
交流戦の対楽天3回戦(コボスタ宮城)で、初回に1番・山田哲人内野手が先頭打者本塁打、この試合の得点はこの1点だけだったが、先発・石川雅規投手が完封で勝利、1回表先頭打者本塁打だけの1-0勝利はプロ野球6度目、セ・リーグでは55年ぶり3度目。
6月14日
岩村明憲内野手が、対北海道日本ハム3回戦(札幌ドーム)で1試合4二塁打を記録(プロ野球11人目)、セ・リーグでは33年ぶり4人目の記録。
6月26日
交流戦が終了、山田哲人内野手が打率.378で、交流戦の最年少記録で首位打者を獲得。
8月7日
対阪神17回戦(神宮球場)で、16安打を放ち13-4で圧勝、これで8試合連続2ケタ安打の球団新記録を達成。
8月8日
前日に引き続き対横浜DeNA15回戦(横浜スタジアム)を16安打12得点で勝利、連続2ケタ安打を9試合に更新すると同時に、プロ野球タイ記録となる8試合連続7得点以上を記録した(セ・リーグでは新記録)。
また川端慎吾内野手が4安打を放ち、4試合連続猛打賞を記録、セ・リーグの4試合連続以上猛打賞は10人目、球団では初。
8月13日
川端慎吾内野手が、対広島15回戦(マツダスタジアム)の7回表にバリントン投手からレフト前にタイムリー安打を放ち、球団タイ記録となる9試合連続打点を記録。
8月21日
ウラディミール・バレンティン外野手が対巨人16回戦(神宮球場)の6回裏に澤村投手からレフト上段へ2ランホームランを放ち、通算150本塁打を達成(プロ野球160人目)、出場463試合目での150号は史上4位のスピード記録。
8月28日
石川雅規投手が対広島18回戦(マツダスタジアム)に先発し、8回3失点で今季10勝目、これでプロ野球28人目の10度目の2ケタ勝利を達成、大卒では史上4人目、球団では金田正一投手に次ぎ松岡弘投手と並ぶ2位タイ記録。
9月7日
山田哲人内野手が対巨人19回戦(神宮球場)の2回裏に久保投手から左中間へタイムリー二塁打を放ち今季165安打をマーク、古田敦也捕手が持っていた日本人右打者の球団最多安打を更新。
9月17日
山田哲人内野手が対阪神22回戦(神宮球場)の1回裏に岩田投手から左中間へ6か月連続、今季6本目の先頭打者本塁打を放つ、シーズン6本は球団日本人最多タイ、シーズン6本以上はプロ野球23人目だが、6か月連続はプロ野球初の記録。
9月24日
雄平外野手が対広島24回戦(神宮球場)の4回裏に野村投手から右翼席へ今季20号本塁打、投手として18勝以上している雄平だが、1勝以上挙げた投手でシーズン20号を記録したのは64年ぶりプロ野球4人目、球団では初の快挙。
10月6日
山田哲人内野手が対横浜DeNA23回戦(神宮球場)の8回裏に山口投手から左中間へ逆転満塁本塁打、これで今季の安打が192本となり日本人右打者のシーズン最多安打を64年ぶりに更新。
10月7日
今季全日程が終了、順位は2年連続の最下位に沈んだが、山田哲人内野手が初の最多安打者、ウラディミール・バレンティン外野手が2年連続の最高出塁率者のタイトルを獲得。
10月8日
真中満チーフ打撃コーチが新監督に就任
11月3日~21日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)

2年連続最下位も、投打に低迷脱出の兆し
前年、最下位に終わった雪辱を誓い迎えた横浜DeNAとの開幕戦。8番・ショートで先発出場を果たしたルーキーの西浦直亨が大学の先輩・三嶋一輝から、初打席で初球をレフトスタンドへ運びプロ初本塁打を記録する。開幕戦での新人選手の初打席初球本塁打はプロ野球史上初。これで初回から7点を奪うなど13安打9得点の快勝で最高のスタートを切った。

しかし翌日以降は雨天中止を挟んで3連敗。勢いに乗ることができず借金生活が続く中、さらなる悲運がチームを襲った。開幕から自身3連勝中と好調だった前年の新人王・小川泰弘が、4月18日の阪神戦で右手に痛烈な打球を受け、離脱を余儀なくされたのだ。そこで救世主となったのが、3年目の木谷良平だった。26日の中日戦で7回3失点の好投を見せチームの連敗を9で止めると、5月23日の埼玉西武戦ではチームトップの4勝目を挙げ、交流戦4戦目にして初勝利をもたらした。

ところが交流戦終盤、新たなアクシデントがチームを襲う。チームトップの打点を挙げていた畠山和洋が左大腿二頭筋肉離れ、4番のバレンティンが左アキレス腱痛のため登録抹消となったのだ。順位こそ5位と低迷していたものの、リーグトップのチーム打率を誇っていたチームにとって致命的な離脱に思えた。しかし、そのバレンティンに代わって4番に抜擢された川端慎吾、それまで1番を打っていた山田哲人が3番に入り躍動する。特に山田はこの交流戦、打率.378を記録。史上最年少で交流戦首位打者となり、「日本生命賞」にも輝いた。

5月21日以降5位をキープしていたチームは、7月2日の阪神戦に1点差で敗れ、ついに最下位に転落する。一度は5位に順位を戻すものの、7月11日に再び最下位に転落すると、浮上のきっかけをつかめぬまま9月22日には小川監督が辞意を表明。そのままシーズンを終えた。

それでも明るい話題は多い。打線は12球団最多となる667得点を挙げ、チーム打率もセ・リーグトップ。その中でも高卒4年目の山田はシーズン193安打を放ち、最多安打者賞と二塁手でのベストナインを獲得。日本人右打者の最多安打記録を64年ぶりに更新するなど大ブレイクを果たした。野手転向5年目の雄平はリーグ6位の打率.316、リーグ日本人野手トップの90打点で外野手部門のベストナインに輝いた。また、バレンティン、川端、山田、畠山、雄平の5選手が打率3割越え。バレンティンは最高出塁率者賞(出塁率.419)も受賞した。投げてはルーキーの秋吉亮が中継ぎ、抑えと大車輪の活躍を見せると、13年目のベテラン・石川雅規も負けじと3年ぶりの2ケタ勝利となるチームトップの10勝をマーク。投打に光明の見えたシーズンだった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
144
82
61
1
.573
2
阪神タイガース
144
75
68
1
.524
7.0
3
広島東洋カープ
144
74
68
2
.521
7.5
4
中日ドラゴンズ
144
67
73
4
.479
13.5
5
横浜DeNAベイスターズ
144
67
75
2
.472
14.5
6
東京ヤクルトスワローズ
144
60
81
3
.426
21.0

主なラインナップ(監督:小川淳司)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(二)
山田哲人
22
.324
29
89
2(中)
上田剛史
26
.210
2
20
3(三)
川端慎吾
27
.305
10
69
4(左)
バレンティン
30
.301
31
69
5(右)
雄平
30
.316
23
90
6(一)
畠山和洋
32
.310
17
79
7(遊)
荒木貴裕
27
.275
2
12
8(捕)
中村悠平
24
.298
5
41
9(投)
※先発投手
相川亮二
38
.250
2
21
森岡良介
30
.276
2
31
松元ユウイチ
33
.289
0
14
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
石川雅規
34
27
10-10-0
4.75
小川泰弘
24
17
9-6-0
3.66
八木亮祐
24
23
5-6-0
3.91
ナーブソン
32
24
4-11-0
4.53
バーネット
31
33
1-2-14
3.34
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多安打者
山田哲人(初)
最高出塁率者
バレンティン(2回目)
ベストナイン(二塁手)
山田哲人(初)
ベストナイン(外野手)
雄平(初)
特別賞
月間MVP(5月度・野手部門)
雄平
月間MVP(8月度・野手部門)
山田哲人


2015年
2月1日~2月26日
第16回浦添キャンプ
2月1日~2月26日
ファーム西都キャンプ
4月8日
対中日2回戦(神宮球場)を2-1でサヨナラ勝ち、これで開幕から11試合連続3失点以下のセ・リーグ記録を達成。
4月11日
対巨人2回戦(東京ドーム)は1-2で惜敗したが、開幕からの連続3失点以下を14試合に延ばし、59年ぶりにプロ野球記録を更新。
4月26日
畠山和洋内野手が、対巨人6回戦(神宮球場)で高木勇投手からレフトへソロホームランを放ち、通算100号本塁打を達成(プロ野球273人目)
6月4日
新垣渚投手が対楽天2回戦(神宮球場)の3回表に藤田選手を二ゴロに打ち取り、通算1000投球回数を達成(プロ野球340人目)
6月6日
畠山和洋内野手が、対千葉ロッテ1回戦(神宮球場)の7回裏に香月投手からセ・リーグトップを独走する16号ソロを放つ、これで自身2度目の4試合連続本塁打となり、球団の日本人複数4試合連続本塁打は16年ぶり2人目の記録。
6月25日
山田哲人内野手が、対中日11回戦(ナゴヤドーム)で大野投手から今季4本目、通算10本目となる先頭打者本塁打を放つ、昨年も6本打っており、2年連続4本以上は球団では初、通算10本は球団2位タイ、22歳11カ月の10号到達はプロ野球史上2位の年少記録。
6月27日
対巨人10回戦(草薙球場)で、球団マスコット「つば九郎」が主催1500試合連続出場を達成。
7月21日
対横浜DeNA17回戦(横浜スタジアム)を17-3で快勝、この試合の9回表に10打数連続安打を含む11安打を集中して11得点をマーク、球団の10打数連続以上安打は3度目、1イニング11安打以上は4度目で、いずれもプロ野球最多回数。
8月2日
山中浩史投手が対阪神16回戦(甲子園球場)に先発し7回無失点で勝ち投手、これで開幕から5戦5勝となり、球団では57年ぶり2人目の記録、先発のみでの開幕5戦5勝は球団初。
8月11日
山中浩史投手が対広島16回戦(マツダスタジアム)で完封勝利、これで開幕6連勝となり、前年まで0勝の投手が開幕6戦6勝はセ・リーグ初。
8月22日
山田哲人内野手が対中日21回戦(神宮球場)で3打席連続本塁打を放つ、前日の最終打席でも本塁打を打っており、2日間に渡って4打席連続本塁打のプロ野球タイ記録をマーク。
9月10日
バーネット投手が対横浜DeNA22回戦(神宮球場)の9回裏に今季50試合目の登板、これでプロ野球初のロマン投手・オンドルセク投手・バーネット投手の外国人3投手が50試合以上登板となる。
9月22日
新外国人のオンドルセクが対広島22回戦(神宮球場)の8回に登板し、1イニングを無失点と好投、これで今季の登板数が65試合となり、新外国人来日1年目の最多登板を達成。
9月24日
バーネット投手が対横浜DeNA25回戦(神宮球場)でセーブをマーク、これで今季のセーブ数が38個となり、球団最多セーブを更新。
9月24日
山田哲人内野手が対横浜DeNA25回戦(神宮球場)で2打席連続本塁打を放ち、今季の神宮球場の本塁打が23本の日本人本拠地最多本塁打を記録。また自身の得点が115になり球団最多得点を更新。
10月2日
対阪神25回戦(神宮球場)を延長11回裏に雄平外野手のヒットで2-1のサヨナラ勝ち、チームは14年ぶり7度目の優勝を決める、真中監督は1年目で、新人監督の優勝はプロ野球19人目、前年最下位チームの新人監督優勝になると3人目の快挙。
10月3日
対広島25回戦(マツダスタジアム)を延長11回、6-4で勝利、この試合でバーネット投手が今季41セーブ目をマークし、シーズン外国人セーブのプロ野球最多タイ記録を達成、また秋吉亮投手はシーズン球団最多になる74試合登板も達成。
10月4日
今季最終戦の対巨人25回戦(東京ドーム)で、山田哲人内野手が6回表に38号2ランを放ち今季100打点目、これで今季の打率.329本塁打38盗塁34のトリプルスリーに加え100打点達成は65年ぶりプロ野球3人目の記録。
10月6日
セ・リーグが9月の月間最優秀選手を発表、投手は石川雅規投手、野手は山田哲人内野手が選出、山田哲人内野手はセ・リーグでは2人目の3ヶ月連続受賞となる。
10月7日
今季全日程が終了、首位打者に川端慎吾内野手、本塁打王に山田哲人内野手、打点王に畠山和洋内野手がそれぞれ初受賞、主要3タイトルを同一チームの3選手が分け合うのはプロ野球史上初、また山田哲人内野手は盗塁王と最高出塁率も同時に獲得、首位打者と盗塁王の同時受賞もプロ野球初の快挙、投手ではバーネット投手が最多セーブを獲得。
10月17日
CSファイナルステージで巨人を4勝1敗で突破、14年ぶりに日本シリーズ出場を決める、なおCSのMVPに15打数7安打、打率.467を記録した川端慎吾内野手が選出された。
10月20日
今季のセ・リーグ最優秀バッテリーとして石川雅規投手と中村悠平捕手が選ばれる。
10月26日
日本シリーズ対福岡ソフトバンクホークス3回戦(神宮球場)で、山田哲人内野手がシリーズ2人目となる3打席連続本塁打を記録、1試合での3打席連続は史上初。
10月28日
日本シリーズは1勝4敗で敗退、14年ぶりの日本一は逃すが、山田哲人内野手がシリーズの敢闘選手賞を受賞。
11月25日
今季のMVPが発表され、山田哲人内野手がセ・リーグ歴代最年少で受賞。
11月5日~11月21日
秋季キャンプ (愛媛県松山市)

新生・真中スワローズが“大混セ”を制し14年ぶりの歓喜!
小川淳司監督が辞任し、前年まで一軍チーフ打撃コーチを務めた真中満新監督が就任。2年連続最下位からの低迷脱出とチーム再建は12球団最年少のルーキー監督に託された。

前評判はけして高くなかったが、敵地・マツダスタジアムで迎えた開幕戦では、延長戦にもつれ込みながらもミレッジの2点タイムリー三塁打で勝ち越し。接戦を制し幸先の良いスタートを切ると、投手陣が開幕から14試合連続3失点以下に抑えるプロ野球新記録を樹立するなど好調は続き、4月17日には約3年ぶりの単独首位に浮上した。

ところが、5月に入ると泥沼の9連敗を喫し最下位に転落。6月に入ってもBクラスを抜け出すことができない。その中で救世主のごとく復活したのが、二度の右肘靱帯再建手術などで2年間チームを離れていた館山昌平だ。814日ぶりの一軍登板となった6月28日の巨人戦では白星こそつかなかったものの、チーム一丸となって逆転勝利。復帰2戦目の横浜戦で1,019日ぶりの白星を手にし、チームを勢いづけた。

7月2日の阪神戦で山中浩史がプロ初安打初打点など投打の活躍を見せ神宮初勝利。再び単独首位に立つ。山中はこの年、6月12日のライオンズ戦でプロ初勝利を挙げると、自身無傷の6連勝で低迷するチームを支えた。また、この頃から2番・川端慎吾、3番・山田哲人、4番・畠山和洋という打線が確立。この3人を中心に、疲れの見え始めた投手陣を打線がカバーし、7月の月間チーム打率.307、113得点とどちらもリーグトップの数字を残す。

シーズン終盤もセ・リーグは近年まれに見る大混戦になる。9月は首位・阪神、2位・東京ヤクルト、3位・巨人と3位までのチームがわずか1ゲーム差にひしめく僅差が続く。それでも東京ヤクルトは連敗することなく9月10日についに同率首位に並ぶと、以降は首位の座を守り抜く。迎えた10月2日の神宮最終戦、終盤8回に同点とされ、試合は延長戦へもつれ込むも、11回二死三塁から雄平がライト線へのタイムリーを放ち、劇的なサヨナラ勝ちで14年ぶりのリーグ優勝を決めた。真中監督は球団史上初の就任1年目での優勝監督となった。

3年ぶりの出場、本拠地・神宮球場では初めての開催となったCSファイナルステージでは、ファーストステージを勝ち上がってきた巨人を迎え撃ち、初戦こそ落としたものの、2戦目以降は3連勝。アドバンテージ含め4勝1敗で巨人を下し、日本シリーズ進出を決めた。

その日本シリーズの相手はパ・リーグ王者・福岡ソフトバンク。敵地・ヤフオクドームで2勝を許し本拠地に戻った東京ヤクルトは、山田のシリーズ史上初の1試合3打席連続弾などで1勝を挙げる。しかし第4、5戦を落とし、日本一には届かなかった。

開幕当初から安定した活躍を見せた川端が首位打者と最多安打、トリプルスリーを達成した山田は史上初のホームラン王と盗塁王の同時受賞に加えて最多出塁率者賞も獲得。さらに畠山が打点王に輝き、NPB表彰の打撃部門をスワローズの選手が独占した。投げては球団史上最多の41セーブを挙げたバーネットが阪神・呉昇桓とともにセーブ王、館山がカムバック賞。さらに山田はセ・リーグ最優秀選手に輝くなど、球界を代表する選手へと成長した。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
東京ヤクルトスワローズ
143
76
65
2
.539
2
読売ジャイアンツ
143
75
67
1
.528
1.5
3
阪神タイガース
143
70
71
2
.496
6.0
4
広島東洋カープ
143
69
71
3
.493
6.5
5
中日ドラゴンズ
143
62
77
4
.446
13.0
6
横浜DeNAベイスターズ
143
62
80
1
.437
14.5

主なラインナップ(監督:真中満)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
比屋根渉
28
.230
3
9
2(三)
川端慎吾
28
.336
8
57
3(二)
山田哲人
23
.329
38
100
4(一)
畠山和洋
33
.268
26
105
5(右)
雄平
31
.270
8
60
6(遊)
大引啓次
31
.225
5
41
7(左)
デニング
27
.222
4
22
8(捕)
中村悠平
25
.231
2
33
9(投)
※先発投手
田中浩康
33
.201
1
11
三輪正義
31
.233
0
7
上田剛史
27
.263
1
19
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
石川雅規
35
25
13-9-0
3.31
小川泰弘
25
27
11-8-0
3.11
館山昌平
34
11
6-3-0
2.89
山中浩史
30
9
6-2-0
3.24
バーネット
32
59
3-1-41
1.29
  • 年齢は満年齢


表彰選手

日本シリーズ表彰
敢闘選手賞
山田哲人
セ・リーグ表彰
最優秀選手
山田哲人(初)
最多セーブ投手賞
バーネット(2回)
首位打者賞
川端慎吾(初)
最多本塁打者賞
山田哲人(初)
最多打点者賞
畠山和洋(初)
最多盗塁者賞
山田哲人(初)
最高出塁率者賞
山田哲人(初)
最多安打者賞
川端慎吾(初)
ベストナイン(捕手)
中村悠平(初)
ベストナイン(一塁手)
畠山和洋(初)
ベストナイン(二塁手)
山田哲人(2回)
ベストナイン(三塁手)
川端慎吾(初)
特別賞
最優秀監督賞
真中満
特別賞
山田哲人
(トリプルスリー達成を讃えて)
カムバック賞
館山昌平
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
中村悠平(初)
ゴールデン・グラブ賞(一塁手)
畠山和洋(2回)
ゴールデン・グラブ賞(三塁手)
川端慎吾(初)
月間MVP(6月度・野手部門)
畠山和洋
月間MVP(7月度・投手部門)
バーネット
月間MVP(7月度・野手部門)
山田哲人
月間MVP(8月度・野手部門)
山田哲人
月間MVP(9月度・投手部門)
石川雅規
月間MVP(9月度・野手部門)
山田哲人
最優秀バッテリー賞
石川雅規-中村悠平


2016年
2月1日~2月25日
ファーム西都キャンプ
4月27日
大引啓次内野手が対広島4回戦(神宮球場)で先発出場し、通算1000試合出場を達成(プロ野球474人目)
5月10日
新垣渚投手が対広島6回戦(神宮球場)の2回表に、新井内野手から見逃し三振を奪い、通算1000奪三振を達成(プロ野球144人目)
5月24日
八木亮祐投手が対阪神9回戦(神宮球場)の1回表にセ・リーグタイ記録となる4奪三振(暴投振り逃げ含む)を記録、セ・リーグ10人目、球団では16年ぶり2人目。
5月25日
畠山和洋内野手が、対阪神10回戦(神宮球場)に先発出場し、通算1000試合出場を達成(プロ野球476人目)
5月25日
ウラディミール・バレンティン外野手が対阪神10回戦(神宮球場)で、1回に13号2ラン、3回に14号3ランを放ち、1試合複数本塁打が通算24度目となる球団新記録を達成。
5月27日
成瀬善久投手が対中日7回戦(ナゴヤドーム)に先発、1回にナニータ選手を併殺に打ち取り通算1500投球回数を達成(プロ野球171人目)
6月2日
坂口智隆外野手が対北海道日本ハム3回戦(札幌ドーム)で先発出場し、通算1000試合出場を達成(プロ野球477人目)
6月8日
坂口智隆外野手が対楽天2回戦(Koboスタ宮城)の1回にリズ投手から右前打を放ち、通算1000本安打を達成(プロ野球283人目)
6月17日
山田哲人内野手が交流戦の対西武1回戦(神宮球場)の7回裏に本塁打を放ち、1シーズンで対戦する11球団全てから本塁打を記録、交流戦開始後、同一シーズンで11球団から本塁打を記録したのは15人目だが、2015年に18試合制になってからは初。
7月10日
山田哲人内野手が対中日15回戦(神宮球場)の7回裏に岡田投手から今季29号本塁打を放ち、通算100号を達成(プロ野球277人目)23歳11カ月での100号はプロ野球8位の年少記録、ヤクルトでは90年池山の24歳7カ月を抜きチーム最年少記録となった。
8月27日
石川雅規投手が対阪神21回戦(甲子園球場)に先発し、通算150勝を達成(プロ野球48人目)球団では金田正一、松岡弘に次ぐ3人目、大卒の左腕ではプロ野球初。
9月14日
ウラディミール・バレンティン外野手が対DeNA23回戦(神宮球場)の2回に今季30号の先制ホームランを放ち、球団最多タイに並ぶ自身通算5度目の30号の大台に乗せる。
9月29日
プロ入り初出場の廣岡大志内野手が対DeNA25回戦(横浜スタジアム)の2回表の初打席に三浦投手からレフトへ3ラン、初打席初本塁打はプロ野球56人目だが、高卒ルーキーとなると26年ぶり6人目、セ・リーグでは56年ぶり2人目の記録。
10月1日
今季全日程が終了、山田哲人内野手がプロ野球史上初となる2年連続トリプルスリーを達成、同時に2年連続盗塁王も決定した。
11月8日~11月21日
秋季キャンプ (愛媛県松山市)

山田哲人が史上初2年連続トリプルスリー達成、若手の台頭も
真中満監督就任2年目、前年果たせなかった日本一を目指して臨んだシーズン。そのスタートは9年ぶりの開幕4連敗を喫するなど苦戦を強いられた。それでも、本拠地2戦目となった3月30日の阪神戦で日本ハムから移籍してきた鵜久森淳志の勝ち越し1号ソロなどでシーズン初勝利を挙げると、そこから引き分けを挟んで3連勝。4月8日の横浜DeNA戦で球団通算4,000勝を達成した。

3月、4月は13勝15敗1分と負け越し、首位とゲーム差1.0の5位で終える。それでも5月3日の横浜DeNA戦で山中浩史が終始安定したピッチングで4安打完封など、チームは5連勝で勝率を5割に戻した。ところがその後2度の3連敗を喫し、最下位に転落。5月31日に開幕したセ・パ交流戦でも、初戦こそ山田哲人がリーグトップの16号2ランを放つなど白星スタートを切ったが、その後6連敗を喫するなど、終わってみれば6勝12敗で11位に沈んだ。

以降もチームは最下位を抜け出せず低迷が続く。さらに昨年首位打者の川端慎吾が右足舟状骨骨折、雄平が左脇腹痛、大引啓次も腰痛と、主力選手たちが次々と離脱。ついには2年連続トリプルスリーを目指す山田までもが左第八肋骨骨挫傷で離脱を余儀なくされた。

そんな中、右肩故障のため約5年間チームを離れていた由規が支配下に復帰。復帰2戦目となった7月24日の中日戦で1,786日ぶりの勝利を手にすると、8月4日の広島戦で復帰後神宮初勝利を挙げた。その由規に続くように、チームの巻き返しが始まる。同10日の中日戦から4連勝、17日の横浜DeNA戦ではチーム4本塁打で勝利し4位に浮上すると、27日の阪神戦で石川雅規が史上48人目、スワローズでは金田正一氏、松岡弘氏以来3人目のプロ通算150勝を達成。翌28日には山中が今季3度目の完投勝利で続き、31日の巨人戦ではこの年の開幕投手を務めた小川泰弘が5安打完封、自身初の3試合連続完投勝利を挙げ、チームは15勝9敗と、この年唯一の月間勝ち越しとなった。

クライマックスシリーズ進出への望みをかけ、山田、川端、雄平と、続々と主力選手が復帰。しかし、わずかにクライマックスシリーズ進出には届かず、広島との最終戦に敗れ、5位でシーズンを終えた。山田はこの年、打率.304、38本塁打、30盗塁で、プロ野球史上初となる2年連続トリプルスリーを達成、さらに2年連続2度目の盗塁王も獲得した。

この年は若手の台頭が目立つ年であった。主力選手が相次いで離脱していく中、左手首の怪我で離脱した畠山和洋に代わって、キャッチャーの西田明央がファーストでスタメンに抜擢。その期待に応え、8月以降はスタメンマスクに定着した。また、3年目の西浦直亨は7月以降、サード、ショート、時にはセカンドとマルチにこなし、打っては自身初のグランドスラムや2試合連続弾など7本塁打、チーム2位の9盗塁を記録するなど走攻守に存在感を示し主力選手の穴を見事に埋めてみせた。

また、2015年まで選手会長を務め、ムードメーカーとして親しまれた森岡良介がこの年限りで惜しまれつつ現役を引退した。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
広島東洋カープ
143
89
52
2
.631
2
読売ジャイアンツ
143
71
69
3
.507
17.5
3
横浜DeNAベイスターズ
143
69
71
3
.493
19.5
4
阪神タイガース
143
64
76
3
.457
24.5
5
東京ヤクルトスワローズ
143
64
78
1
.451
25.5
6
中日ドラゴンズ
143
58
82
3
.414
30.5

主なラインナップ(監督:真中満)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
坂口智隆
32
.295
0
39
2(三)
川端慎吾
29
.302
1
32
3(二)
山田哲人
24
.304
38
102
4(左)
バレンティン
32
.269
31
96
5(右)
雄平
32
.296
7
55
6(一)
今浪隆博
32
.279
1
28
7(遊)
大引啓次
32
.250
5
27
8(捕)
中村悠平
26
.187
3
37
9(投)
※先発投手
西田明央
24
.243
7
25
西浦直亨
25
.255
7
28
上田剛史
28
.220
1
10
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
石川雅規
36
20
8-8-0
4.47
小川泰弘
26
25
8-9-0
4.50
山中浩史
31
22
6-12-0
3.54
村中恭兵
29
52
7-3-0
3.90
秋吉亮
27
70
3-4-19
2.19
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多盗塁者賞
山田哲人(2回)
特別賞
特別賞
山田哲人
(史上初の2年連続トリプルスリー達成を讃えて)
ベストナイン(二塁手)
山田哲人(3回)
月間MVP(6月度・野手部門)
山田哲人
月間MVP(8月度・投手部門)
小川泰弘

2017年
2月1日~2月27日
第18回浦添キャンプ
2月1日~2月28日
ファーム西都キャンプ
3月 31日
開幕戦の対DeNA1回戦(神宮球場)を9-2で完勝、先発の石川雅規投手が勝利投手となり、セ・リーグの開幕投手最年長白星となる(37歳2か月)
4月2日
鵜久森淳志外野手が対DeNA3回戦(神宮球場)の10回裏、須田投手から代打満塁サヨナラ本塁打を放ち劇的勝利を収める、代打満塁サヨナラ本塁打はプロ野球16人目、球団では35年ぶり2人目だが、開幕カードでの記録はプロ野球史上初の快挙。
4月13日
鵜久森淳志外野手が対中日2回戦(神宮球場)の9回裏に今月2日に続く代打サヨナラ安打で勝利、代打サヨナラ安打を月間2本記録したのは若松元監督以来40年ぶり。
5月7日
雄平外野手が対DeNA9回戦(横浜スタジアム)で、セ・リーグタイ記録となる1試合4二塁打を記録、プロ野球では12人目、セ・リーグでは5人目となる記録。
5月14日
荒木貴裕内野手が対中日7回戦(松山坊ちゃんスタジアム)でプロ入り初のサヨナラ満塁本塁打を放ち劇的勝利を収める、4月2日の鵜久森に続きシーズン2本のサヨナラ満塁ホームランを打ったのはプロ野球3チーム目、セ・リーグでは初の記録、ヤクルトのサヨナラ満塁本塁打は6人目。
6月13日
石川雅規投手が対東北楽天1回戦(神宮球場)に先発、2回表にペゲーロから三振を奪い通算2500投球回数を達成(プロ野球46人目)
7月25日
ウラディミール・バレンティン外野手が対中日14回戦(神宮球場)の初回に逆転2ランを放ち通算200号を達成(プロ野球102人目)707試合目の達成は歴代6位のスピード記録。
7月26日
対中日15回戦(神宮球場)で6回まで0-10の劣勢から延長10回に11-10のサヨナラ勝ち、プロ野球で10点差の逆転勝ちは20年ぶり4度目のプロ野球タイ記録、セ・リーグでは66年ぶり2度目の快挙。
8月23日
ウラディミール・バレンティン外野手が対阪神20回戦(神宮球場)の5回裏に岩田投手から2ランホームランを放ち、外国人通算本塁打212本の球団最多記録を更新。
9月5日
ウラディミール・バレンティン外野手が対DeNA24回戦(横浜スタジアム)の初回に今永投手から今季30号となる先制3ホームランを放つ、これで通算6度目の本塁打30本以上となり球団最多記録を更新。
10月3日
今季最終戦の対中日25回戦が神宮球場で行われ6-10の逆転負けで全日程が終了、これで今季96敗目となり球団ワーストを67年ぶりに更新、歴史的大敗の1年となった。
11月2日~11月21日
秋季キャンプ (愛媛県松山市)

故障者続出に泣かされ歴史的大敗も、若手の奮闘光る
前年5位に沈んだ悔しさを胸に迎えた真中監督3年目のシーズン。春季キャンプ中に選手会長の川端慎吾が椎間板ヘルニアで離脱するハプニングに見舞われたが、そのスタートは決して悪いものではなかった。3年ぶりの本拠地・神宮での開催となった横浜DeNAとの開幕戦では、5年ぶり8度目、球団史上最年長で開幕投手を務めた石川雅規が6回2失点と試合を作り、打っては先発全員安打を記録するなど投打がかみ合い白星スタートを切った。さらに開幕3戦目では延長戦にもつれ込むも、鵜久森淳志が史上16人目となる代打サヨナラ満塁弾を放ち、開幕カード勝ち越しを決めた。

しかしその後は調子が上がらず、4月5日の阪神戦から1分を挟んで5連敗を喫するなど9勝15敗1分の5位で4月を終える。巻き返しを図りたいチームは、開幕からリリーフで好投を続けていたルーキーの星知弥を先発に据える。その星は2度目の先発となった5月7日の横浜DeNA戦で初勝利を挙げチームの連敗を4で止めると、5連敗で迎えた5月28日の中日戦でも勝利し連敗ストップ。見事に期待に応えて見せた。

ところが6月に入り、バレンティンが右太もも痛、中村悠平が右大腿骨の骨挫傷、雄平が右有鉤骨骨折、秋吉亮が右肩甲下筋の肉離れと、主力選手たちが次々と離脱。5月30日のオリックス戦から6月10日の千葉ロッテ戦まで今季最多の10連敗を喫すると、7月には球団史上47年ぶりの14連敗という泥沼状態に陥ってしまう。それでも7月26日の中日戦で10点差から同点に追いつき、大松尚逸の代打サヨナラ本塁打で試合を決め、10点差からの逆転という20年ぶり史上4度目のプロ野球タイ記録となる劇的勝利を収めた。

以降もチームは最下位を抜け出せず低迷が続く。結局5月27日以降一度も浮上することなく、8月22日には真中監督が辞意を表明。そのままシーズンを終え、45勝96敗2分、球団史上最多敗戦数を更新する屈辱的な記録となってしまった。

そんな中、2年目の山崎晃大朗が7月下旬からスタメンに定着し、59試合に出場。8月2日の巨人戦でプロ初猛打賞を記録すると、同26日の横浜DeNA戦ではプロ初本塁打を放つなどバッティングが開花した。さらに4年目の奥村も前年の4試合から44試合と出場機会を増やし、7月11日の巨人戦ではエースの菅野智之からプロ初安打。同29日の広島戦ではプロ初タイムリーが貴重な決勝タイムリーとなるなど、若手選手の奮闘が光った。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
広島東洋カープ
143
88
51
4
.633
0.0
2
阪神タイガース
143
78
61
4
.561
10.0
3
横浜DeNAベイスターズ
143
73
65
5
.529
4.5
4
読売ジャイアンツ
143
72
68
3
.514
2.0
5
中日ドラゴンズ
143
59
79
5
.428
12.0
6
東京ヤクルトスワローズ
143
45
96
2
.319
15.5

主なラインナップ(監督:真中満)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
坂口智隆
33
.290
4
38
2(遊)
大引啓次
33
.227
5
29
3(二)
山田哲人
25
.247
24
78
4(左)
バレンティン
33
.254
32
80
5(右)
雄平
33
.306
2
32
6(一)
荒木貴裕
30
.207
6
25
7(捕)
中村悠平
27
.243
4
34
8(三)
藤井亮太
29
.257
2
12
9(投)
※先発投手
西田明央
25
.137
1
7
西浦直亨
26
.208
0
8
上田剛史
29
.234
0
11
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
小川泰弘
27
22
8-7-0
2.83
ブキャナン
28
25
6-13-0
3.66
星知弥
23
24
4-7-0
4.73
石川雅規
37
23
4-14-0
5.11
秋吉亮
28
43
5-6-10
3.35
  • 年齢は満年齢


表彰選手
該当者なし


2018年
2月1日~2月26日
第19回浦添キャンプ
2月1日~2月24日
ファーム西都キャンプ
4月17日
7年ぶりに日本球界に復帰した青木宣親外野手が対広島4回戦(呉球場)に先発出場し、NPB通算1000試合出場を達成(プロ野球489人目)日本球界の通算打率は .329で、1000試合以上出場選手の中ではトップの記録。
5月3日
青木宣親外野手が対中日6回戦(神宮球場)の7回裏に中前ヒットを放ち、NPB通算打数が生涯打率の条件となる4000打数に到達、打率は .327で歴代1位となる。
6月14日
青木宣親外野手が対西武3回戦(メットライフドーム)の1回表に先頭打者でランニングホームランを記録、自身の先頭打者本塁打は9本目だが、ランニング本塁打は初でプロ野球でも9人目、セ・リーグでは20年ぶり5人目の記録。
6月17日
対日本ハム3回戦(札幌ドーム)を5-1で勝利し交流戦最高勝率が決定、セ・リーグの交流戦優勝は巨人に次いで2チーム目、ヤクルトは交流戦前の公式戦では最下位で、公式戦最下位チームが交流戦1位になるのは初、また昨年の交流戦も最下位で、昨年の最下位チームの交流戦1位も初。
6月23日
畠山和洋内野手が対巨人10回戦(東京ドーム)の7回表に代打でツーベースを放ち、6月8日の対オリックス2回戦(神宮球場)から球団タイとなる5試合連続代打安打を記録(4年ぶり7人目)
6月30日
山田哲人内野手が対阪神8回戦(神宮球場)の7回裏に代打マテオ投手からバックスクリーンに2ランを放ち通算150本塁打を記録(プロ野球168人目)25歳11か月での達成は史上10番目の年少記録で、球団では92年の池山内野手の26歳4か月を抜く最年少記録。
7月9日
山田哲人内野手が対巨人12回戦(草薙球場)で、左安⇒左本⇒左2⇒右3のサイクルヒットを達成、プロ野球66人目、ヤクルトでは6人目。
7月17日
雄平外野手が対DeNA13回戦(横浜スタジアム)の8回表に代打で右前ヒットを放ち、6打数連続代打安打の球団新記録を達成。
7月24日
山田哲人内野手が対巨人15回戦(倉敷マスカットスタジアム)の3回表に、内海投手から中堅左に自身初の4試合連続となる先制2ランを放つ、セ・リーグで二塁手の4戦連発は1978年のヒルトン(ヤクルト)以来40年ぶり2人目、日本人では初となる記録。
8月1日
山田哲人内野手が対広島14回戦(神宮球場)の7回裏、九里投手から左中間にタイムリーツーベースを打ち、10試合連続打点の球団新記録を達成。
8月5日
石川雅規投手が対阪神13回戦(京セラドーム大阪)の3回裏、小野から三振を奪い、通算1500奪三振を達成(プロ野球55人目)
8月19日
ウラディミール・バレンティン外野手が対阪神16回戦(神宮球場)の1回裏に岩田投手から2ランホームランを放ち、セ・リーグ1番乗りで今季30号に到達、これでシーズン30号は7度目となり通算7度目はプロ野球10位タイ、外国人選手では最多記録に並んだ。
8月26日
ウラディミール・バレンティン外野手が対DeNA19回戦(神宮球場)の3回裏に今永投手からツーランホームランを放ち通算250号本塁打を達成(プロ野球62人目)出場869試合目の250号達成はプロ3番目のスピード記録。
10月8日
ウラディミール・バレンティン外野手が対阪神25回戦(神宮球場)の2回裏に才木投手から38号スリーランホームランを放ち今季の打点を131打点として、2013年に自身が樹立した球団記録に並ぶ。
10月9日
今季最終戦が終了、成績は75勝66敗2分となり2位が確定、本拠地開催のCS出場権を得る。
10月9日
近藤一樹投手が対DeNA25回戦(神宮球場)の8回表に登板、これで今季の登板数が74試合となり、2015年の秋吉亮投手の持つ最多登板の球団記録に並んだ。
10月13日
セ・リーグ全日程が終了、山田哲人内野手が打率 .315 本塁打34本 盗塁33個で史上初となる自身3度目のトリプルスリーを達成、同時に3度目の盗塁王を獲得、ウラディミール・バレンティン外野手が131打点で初の打点王、近藤一樹投手が42ホールドで初の最優秀中継ぎ投手をそれぞれ獲得。
10月14日
CSファーストステージでセ・リーグ3位の巨人と対戦したが、2連敗を喫しファイナルステージ進出は惜しくもならず。
11月1日~11月21日
秋季キャンプ (愛媛県松山市)

歴史的大敗の1年から快進撃!山田哲人が史上初、3度目のトリプルスリーを達成
前年まで球団シニアディレクターを務めていた小川淳司が4年ぶりに監督に復帰。前年、歴史的大敗の1年となったチームに厳しさを植え付けるため、ヘッドコーチにはOBの宮本慎也が就任した。春季キャンプでは、チーム再建のために猛練習を敢行。1日10時間を超えるトレーニングを選手に課し、来るべきシーズンに備えた。

そして迎えた敵地・横浜スタジアムでの開幕戦。初の開幕投手に起用されたブキャナンが6回1失点の好投を見せると、怪我で前年を棒に振った川端慎吾が復活を印象づけるホームランを放ち、7対3で勝利を飾る。続く第2戦は石川雅規が2017年5月以来の勝利を挙げるなど、順調なスタートを切った。

しかし、4月に入りチームは低迷。7勝15敗と大きく負け越し、なかなか浮上のきっかけを掴むことができないまま5月を迎える。5月16日の巨人戦からシーズン2度目となる6連敗を喫するなど、投打が噛み合わずにリーグ序盤は最下位に沈んだ。

転機となったのは、セ・パ交流戦。セットアッパーに近藤一樹、クローザーに石山泰稚という勝利の方程式が確立されると、パ・リーグのチームを相手に12勝6敗と大きく勝ち越しに成功する。球団史上初となる最高勝率を達成し、交流戦10試合に登板した石山泰稚は圧倒的な成績(1勝0敗7セーブ、防御率0.00)で日本生命賞を受賞した。

チームは6月を15勝8敗で終え、一気に2位に浮上。故障で出遅れたエースの小川泰弘が6月に3勝を飾り、投手部門の6月度「日本生命月間MVP賞」を受賞。シーズン直前に電撃復帰した青木宣親も打率.388、4本塁打、22打点で野手部門の同賞を獲得するなど、攻守の主軸が結果を残し、チームは上昇気流に乗っていった。

その後もチームは好調を維持し、リーグ後半戦を41勝24敗1分けという好成績で終える。レギュラーシーズンを2位で終え、迎えた3年ぶりのクライマックスシリーズでは巨人相手に2連敗を喫し終戦。特に第2戦では、本拠地・神宮球場で菅野智之を相手にノーヒットノーランという屈辱を味わった。

屈辱的な敗戦で幕を閉じた2018シーズンだが、逆転で勝利した試合数が「38」を数えるなど、選手たちは最後まで勝利を諦めない姿勢を見せ、小川監督も「シーズンを通して選手はよく頑張った」と評価。次に繋がる充実したシーズンを送った。

投手では、ブキャナンがチーム最多となる10勝をマーク。球団記録となる74試合に登板した近藤一樹は、プロ17年目にして初のタイトルとなる「最優秀中継ぎ投手賞」を受賞した。野手では、自身が持つ球団記録(131打点)に並んだバレンティンが「最多打点者賞」を受賞。山田哲人は打率.315 、34本塁打、33盗塁でプロ野球史上初となる3度目のトリプルスリーを達成するなど、走攻守で圧倒的な存在感を見せた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
広島東洋カープ
143
82
59
2
.582
2
東京ヤクルトスワローズ
143
75
66
2
.532
7.0
3
読売ジャイアンツ
143
67
71
5
.486
6.5
4
横浜DeNAベイスターズ
143
67
74
2
.475
1.5
5
中日ドラゴンズ
143
63
78
2
.447
4.0
6
阪神タイガース
143
62
79
2
.440
1.0

主なラインナップ(監督:小川淳司)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(一)
坂口智隆
34
.317
3
37
2(中)
青木宣親
36
.327
10
67
3(二)
山田哲人
26
315
34
89
4(左)
バレンティン
34
.268
38
131
5(右)
雄平
34
.318
11
67
6(三)
川端慎吾
31
.259
3
31
7(遊)
西浦直亨
27
.242
10
55
8(捕)
中村悠平
28
.211
5
26
9(投)
※先発投手
井野卓
35
.144
0
4
畠山和洋
36
.248
5
27
上田剛史
30
.224
1
7
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
ブキャナン
29
28
10-11-0
4.03
小川泰弘
28
18
8-5-0
2.75
石川雅規
38
22
7-6-0
4.88
近藤一樹
35
74
7-4-2
3.64
石山泰稚
30
71
3-2-35
2.08
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀中継ぎ投手賞
近藤一樹(初)
最多打点者賞
バレンティン(初)
最多盗塁者賞
山田哲人(3回)
ベストナイン(二塁手)
山田哲人(4回)
月間MVP(6月度・投手部門)
小川泰弘
月間MVP(6月度・野手部門)
青木宣親
月間MVP(7月度・野手部門)
山田哲人
特別賞
リーグ特別賞
山田哲人
(自身3度目のトリプルスリーを讃えて)

2019年
2月1日~2月26日
第20回浦添キャンプ
2月1日~2月25日
ファーム西都キャンプ
3月29日
2019年のシーズンが開幕、高卒2年目の村上宗隆内野手が6番・サードのスタメンに抜擢される、ヤクルトで高卒2年目の選手が開幕スタメンで出場するのは55年ぶり。
4月10日
対広島2回戦(マツダスタジアム)は3-3のまま延長に突入、10回表に打者16人の猛攻で12得点を奪い勝利、延長での1イニング12得点は23年振りに更新するプロ野球新記録。
4月16日
対阪神4回戦(松山坊ちゃんスタジアム)を9-5で勝利、これで小川淳司監督は球団史上3人目の監督通算400勝を達成、この試合では村上宗隆内野手が14日の巨人戦に続き2試合連続決勝本塁打を放ち勝利に貢献、ヤクルトの10代選手が2試合連続本塁打を記録したのは球団史上初。
4月20日
川端慎吾内野手が対中日5回戦(ナゴヤドーム)の6回表に代打で柳投手からレフト前にタイムリーを放ち、通算1000本安打を達成(プロ野球294人目)
4月25日
対巨人6回戦(神宮球場)を11-2で完勝、この試合の3回裏に、青木宣親外野手、山田哲人内野手、ウラディミール・バレンティン外野手が3者連続本塁打を記録、3者連続本塁打はヤクルトでは14度目となり球団別ではプロ野球最多。なお山田哲人内野手、ウラディミール・バレンティン外野手は7回裏にも連続本塁打を記録しており、1試合にコンビで2者連続本塁打を2度記録したのはプロ野球史上11度目、ヤクルトでは球団初。
4月30日
対DeNA4回戦(横浜スタジアム)を9-8で勝利し、平成最後の試合を勝利で飾る、この試合で五十嵐亮太投手が救援で今月5勝目を挙げたが、40歳シーズンを迎える投手の月間5勝はプロ野球史上初、また現役の平成最多を更新する789登板目を果たした。
5月17日
青木宣親外野手が対DeNA7回戦(神宮球場)の4回裏に今永投手から今季6号を放ち、通算100本塁打を達成、プロ野球292人目。
5月22日
青木宣親外野手が対阪神11回戦(甲子園球場)の7回表に藤川投手から左前打を放ち、NPB通算1500本安打を達成(プロ野球126人目)1156試合での達成はプロ野球史上最速の快挙。
5月26日
対中日12回戦(神宮球場)の3回裏に、青木宣親外野手、山田哲人内野手、ウラディミール・バレンティン外野手が3者連続本塁打を記録し、球団15度目の球団別プロ野球最多記録を更新、この3人は4月25日にも3者連続本塁打を記録しており、同一トリオのシーズン2度の3者連続本塁打はプロ野球4組目、セ・リーグでは初。
5月28日
五十嵐亮太投手が対広島9回戦(神宮球場)の5回表にリリーフ登板し、通算800試合登板を達成(プロ野球7人目)なお40歳0か月での達成はプロ野球最年長記録。
6月4日
村上宗隆内野手が交流戦の対日ハム1回戦(札幌ドーム)2回表の1打席目で、上沢投手からバックスクリーンに推定130メートルの先制ソロ、村上宗隆内野手にとって交流戦は初出場で、交流戦初打席での本塁打は10代選手では史上初、なお昨年のプロ初打席でも本塁打を放っており、「プロ初打席」と「交流戦初打席」での本塁打もプロ野球初の快挙。
6月30日
山田哲人内野手が対巨人11回戦の1回裏にメルセデス投手から中前打を放ち、通算1000本安打を達成(プロ野球300人目)26歳11か月での達成は球団最年少記録、山田哲人内野手はちょうど1年前の6月30日の阪神戦でも球団最年少で150本塁打を達成しており、27歳前で1000安打と150本塁打の両方を達成したのは、プロ野球19年振り7人目。
7月3日
村上宗隆内野手が対広島13回戦(マツダスタジアム)5回表にローレンス投手から右翼へ自身初の満塁本塁打を放ち今季20号に到達、19歳5か月の満塁本塁打はセ・リーグ2番目の年少記録(プロ野球では7位タイ)高卒2年目以内の20号本塁打もプロ野球5人目の記録。
8月12日
村上宗隆内野手が対DeNA19回戦(神宮球場)9回裏に山崎投手からバックスクリーン横へ逆転サヨナラ2ラン本塁打を放つ、19歳6か月でのサヨナラ本塁打は史上最年少記録を更新、また7月3日に満塁本塁打も記録しており、10代で満塁本塁打とサヨナラ本塁打を記録したのはプロ野球史上初の快挙。
8月23日
大引啓次内野手が対阪神18回戦(神宮球場)の3回裏に高橋遥投手から左前打を放ち、通算1000本安打を達成(プロ野球302人目)
8月23日
同日、山田哲人内野手が初回2死1塁から今季28個目の盗塁を決め、昨年から続く連続盗塁成功33度の日本記録を達成、これまでプロ通算163盗塁だが盗塁失敗は21度しかなく、盗塁成功率8割8分6厘は通算150盗塁以上の選手の中ではトップとなった。
8月30日
山田哲人内野手が対中日21回戦の5回表に盗塁を決め、シーズン32連続盗塁成功のプロ野球記録を更新。
9月4日
川端慎吾内野手が対広島22回戦(神宮球場)の6回裏に代打で出場し、通算1000試合出場を達成(プロ野球504人目)
9月4日
同日、山田哲人内野手が9回裏にフランスア投手からサヨナラ満塁本塁打を放ち、通算200号本塁打を達成(プロ野球106人目)27歳1か月での200号到達はプロ野球5位の年少記録、球団では93年の池山隆寛選手の27歳9か月を抜き、球団最年少での達成となった。なお、通算200号をサヨナラ本塁打で飾ったのは、93年の広沢克己選手以来2人目。
9月4日
また同日、村上宗隆内野手が5回裏に大瀬良投手からライト前のタイムリーを放ち、今季87打点をマーク、53年に記録した中西太元監督の高卒2年以内の最多打点を更新。また次打席となる6回裏には中村恭投手からレフトへ今季32号となるスリーランを放ち、10代選手による最多本塁打も33年振りに更新、この日は記録尽くめの1日となった。
9月6日
ウラディミール・バレンティン外野手が対巨人21回戦(神宮球場)の1回裏に高橋投手から先制のツーランホームランを放ち、来日以来8度目の30号本塁打を達成、外国人選手による8度の30本以上本塁打はプロ野球最多記録。これで山田哲人内野手、村上宗隆内野手を加え、球団では92年以来27年ぶり2度目の30発トリオが誕生。
9月28日
小川泰弘投手が対巨人25回戦に先発、1回2死から岡本選手を中飛に打ち取り、通算1000投球回を達成(プロ野球356人目)
9月28日
今季の全日程が終了、チームは3年ぶりの最下位に沈んだが、村上宗隆内野手が最優秀新人賞、山田哲人内野手が自身5回目のベストナインを獲得。
10月1日
高津臣吾新監督を発表、投手出身の監督は球団では関根潤三元監督以来30年ぶり。
11月1日~11月21日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)

大型連敗で低迷も、村上宗隆がリーグ31年ぶりの高卒野手最優秀新人賞を受賞
前年、チームを3年ぶりのクライマックスシリーズ進出に導いた小川監督が続投し、悲願の優勝へ向けて大きな期待がかかったシーズン。オフには秋吉亮、谷内亮太とのトレードで北海道日本ハムから高梨裕稔、太田賢吾が加入。また、福岡ソフトバンクから10年ぶりに五十嵐亮太が復帰。さらに新外国人選手としてアルバート・スアレス、スコット・マクガフを獲得するなど、積極的な補強で戦力を整備した。

敵地・京セラドームで迎えた阪神との開幕戦、開幕投手に指名された小川泰弘は7回1失点の好投で試合を作るも、チームは延長の末にサヨナラ負けを喫する。2戦目も接戦の末に敗れ、開幕2連敗で迎えた3戦目。移籍後初先発となった高梨裕稔が6回1失点の好投を見せ、チームに待望のシーズン初勝利をもたらした。

4月に入り、チームは神宮開幕戦を白星で飾ると、その後も好調を維持。4月25日の巨人戦で青木宣親、山田哲人、バレンティンが3者連続本塁打を放つなど、強力な打撃陣がリーグ序盤のチームを牽引した。

だが、5月に入るとチームは失速。坂口智隆、西浦直亨、石山泰稚など、主力に故障者が相次ぐと、5月14日の広島戦から球団ワースト記録に並ぶ16連敗を喫してしまう。6月2日の横浜DeNA戦を5対2で勝利し、チームはようやく長いトンネルを抜け出すが、その後も巻き返すことはできず、最下位に転落。セ・パ交流戦を6勝12敗で終えるなど、浮上のきっかけが掴めないまま前半戦を終えた。

迎えた後半戦も大型連敗の借金を取り戻すことはできず、9月8日には成績不振の責任を取って小川監督が辞意を表明。また、ヘッドコーチとして小川監督を支えた宮本慎也の退団も発表された。

59勝82敗2分で終えた2019シーズン。5位とは6.5ものゲーム差を広げられたが、個々の活躍は光った。投手では、石川雅規がチーム最多の8勝をマーク。10年ぶりに古巣復帰となった五十嵐亮太は4月だけで5勝を挙げるなど、序盤のチームを支えた。若手ではプロ初セーブをマークした梅野雄吾がチーム最多の68登板で戦力として活躍し、存在感を見せた。野手では、山田哲人が2年連続5度目のベストナイン二塁手を受賞。36本塁打96打点を挙げた村上宗隆は最優秀新人賞を受賞するなど、チームに多大な貢献をし、大きな成長を見せた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
143
77
64
2
.546
2
横浜DeNAベイスターズ
143
71
69
3
.507
5.5
3
阪神タイガース
143
69
68
6
.504
0.5
4
広島東洋カープ
143
70
70
3
.500
0.5
5
中日ドラゴンズ
143
68
73
2
.482
2.5
6
東京ヤクルトスワローズ
143
59
82
2
.418
9.0

主なラインナップ(監督:小川淳司)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(三)
太田賢吾
23
.251
3
27
2(中)
青木宣親
38
.297
16
58
3(二)
山田哲人
27
.271
35
98
4(左)
バレンティン
35
.280
33
93
5(右)
雄平
35
.273
12
56
6(一)
村上宗隆
19
.231
36
96
7(捕)
中村悠平
29
.269
5
36
8(遊)
廣岡大志
22
.203
10
25
9(投)
※先発投手
松本直樹
26
.212
1
4
奥村展征
24
.199
1
12
山崎晃大朗
26
.274
0
8
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
小川泰弘
29
26
5-12-0
4.57
石川雅規
40
23
8-6-0
3.84
五十嵐亮太
40
45
5-1-0
2.98
梅野雄吾
21
68
2-3-4
3.72
マクガフ
30
65
6-3-11
3.15
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀新人賞
村上宗隆
ベストナイン(二塁手)
山田哲人(5回)
月間MVP(8月度・投手部門)
ブキャナン