球団のあゆみ

1990年代



1950年代1960年代1970年代1980年代1990年代2000年代2010年代
1990年
1月31日~2月28日
第13回ユマ・キャンプ
2月1日~3月2日
宮崎県西都市ファーム・キャンプ
3月22日
若松勉外野手引退試合、対巨人オープン戦(神宮)にて実施。
6月22日
八重樫幸雄捕手、対阪神10回戦(甲子園)で通算100号本塁打を達成(プロ162人目)
7月21日
池山隆寛内野手、対中日18回戦(ナゴヤ)で通算100号本塁打を達成(プロ163人目)
8月23日
池山隆寛内野手、対中日22回戦(神宮)でサイクルヒットを記録(プロ43人目)
11月4日~24日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)

野村監督就任、「ID野球元年」は5位
チームを3年間率いた関根潤三監督が退任し、現役時代は史上2位の657本塁打を放ち、南海で選手兼任監督も務めた野村克也新監督が就任。データ重視の「ID野球」を旗印に掲げ、チーム改革に乗り出した。

だが、その新監督をいきなりの試練が待ち受けていた。4月7日に敵地・東京ドームで行われた開幕戦、2点リードで迎えた8回裏。走者を1人置いて、巨人の篠塚利夫が先発の内藤尚行からライトへ放った大きな飛球は、わずかにポールの外側へ切れたかに見えたが、判定はホームラン。野村監督が激しく抗議したが覆らず、同点となって延長戦に突入し、14回裏にサヨナラ負けというホロ苦い初陣となった。

出足でつまずいたチームはなかなか波に乗れず、4月25日の横浜大洋戦に勝って勝率を5割に戻したのを最後に、借金が膨らむ一方だった。高野光と荒木大輔を右ヒジ手術で欠いた投手陣は、さらに尾花高夫、伊東昭光と実績のある投手がケガで離脱。メジャー通算133勝の実績を引っさげて入団したバニスターも、来日初勝利から3連勝の後は精彩を欠き、6月に解雇されてしまった。

そんな中で若い投手が奮闘した。開幕投手の内藤は前年に続いて先発と抑えを兼ね、前半戦で8勝5セーブをマーク。夏場には右ヒジ痛で戦列を離れたが、2年連続の2ケタ勝利を挙げた。ドラフト1位の新人、西村龍次も10勝を挙げ、2年目の川崎憲次郎は12勝で勝利し頭に。宮本賢治も入団9年目で初の2ケタとなる11勝と、球団30年ぶりの「2ケタ勝利カルテット」が誕生した。

打っては池山隆寛が7月21日の中日戦で通算100号本塁打を放つと、8月23日の同カードでは球団史上3人目のサイクルヒットを達成。3年連続の30本塁打に加え、初の打率3割もクリアした。広沢克己も打率.317(リーグ3位)に25本塁打と、この年も「イケトラ」コンビが打線をけん引した。

さらに捕手から二塁手に転向した飯田哲也、内野から外野に転向した柳田浩一が揃ってレギュラーに定着。ルーキーの古田敦也も強肩を武器に正捕手の座をつかみ、外野の柳田とともにゴールデングラブ賞に輝いた。その古田に定位置を奪われた秦真司も、外野に移って初の2ケタ本塁打を放つなど、若手が一気に台頭した。その一方で、八重樫幸雄がプロ21年目で通算100本塁打を達成、角富士夫は16年目にして初の打率3割と、ベテランの存在感も光ったシーズンであった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
130
88
42
0
.677
2
広島東洋カープ
132
66
64
2
.508
22.0
3
横浜大洋ホエールズ
133
64
66
3
.492
24.0
4
中日ドラゴンズ
131
62
68
1
.477
26.0
5
ヤクルトスワローズ
130
58
72
0
.446
30.0
6
阪神タイガース
130
52
78
0
.400
36.0

主なラインナップ(監督:野村克也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(二)
飯田哲也
22
.279
6
33
2(中)
柳田浩一
24
.237
4
38
3(左)
荒井幸雄
26
.282
8
38
4(一)
広沢克己
28
.317
25
72
5(遊)
池山隆寛
25
.303
31
97
6(右)
秦真司
28
.292
11
35
7(三)
角富士夫
34
.301
6
51
8(捕)
古田敦也
25
.250
3
26
9(投)
※先発投手
笘篠賢治
24
.228
2
8
杉浦享
38
.244
8
23
マーフィー
35
.229
5
22
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
川崎憲次郎
19
29
12-13-0
4.05
宮本賢治
31
22
11-7-0
3.16
西村龍次
22
31
10-7-1
4.06
内藤尚行
22
28
10-8-6
4.08
金沢次男
32
37
6-7-5
3.65
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
ベストナイン(遊撃手)
池山隆寛(3回)
ベストナイン(外野手)
広沢克己(2回)
サイクルヒット
池山隆寛
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
古田敦也(初)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
柳田浩一(初)
カムバック賞
宮本賢治
勝利打点賞
広沢克己


1991年
1月23日
中東湾岸戦争の激化に伴い、ユマ・キャンプの中止決定。14年ぶりに国内キャンプに切り替る。
2月1日~3月3日
宮崎県西都市(キャンプ)
2月1日
千葉県袖ケ浦ファーム・キャンプ
3月27日
球団オーナーに桑原潤氏が就任。
4月2日
池山隆寛内野手、セ・リーグ、オープン戦スター大賞を受賞。岡林洋一投手、オープン戦ルーキー大賞を受賞。(両賞を1チームが独占したのは、史上初)
6月16日
角富士夫内野手、対横浜大洋13回戦(横浜)で200犠打を達成(プロ10人目)
7月23日
オールスター第1戦MVP、古田敦也捕手(オールスター初の3盗塁阻止)
7月25日
オールスター第2戦MVP、広沢克己外野手
9月12日
広沢克己内野手、対横浜大洋26回戦(神宮)で通算150号本塁打を達成(プロ93人目)
10月
観客動員数球団新記録2,311,000人(これまでは90年の2,114,000人)
11月3日~21日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)

11年ぶりAクラス! 古田は首位打者に
野村克也監督就任2年目を迎え、オープン戦では池山隆寛がスター大賞、ドラフト1位の新人・岡林洋一がルーキー大賞を獲得。シーズンが始まると、序盤から混戦セ・リーグの“台風の目”となった。4月は、19日から本拠地・神宮で巨人を3タテするなど、9勝8敗1分けと勝ち越し。5月も14勝10敗で広島に次いで2位につけ、6月に一気に飛び出した。

6月9日に福島で行われた広島戦で長島一茂が3安打、5打点の大活躍を見せ、プロ4年目で初のお立ち台に上がったのを皮切りに、そこから22日の阪神戦まで球団新記録の10連勝。この間に単独首位に立つと、25日の巨人戦では5人の選手が猛打賞をマークするなど20安打、16得点の猛攻で巨人を一蹴し、連勝を12まで伸ばした。

結局、前半戦は11もの貯金を抱えて2位で折り返し。その勢いのままに、オールスター第1戦では古田敦也が3つの盗塁を刺してMVPを受賞。決勝打を放った池山と3回零封でセーブを挙げた川崎憲次郎も優秀選手賞に輝き、「燕旋風」を巻き起こした。

しかし、後半戦は8月3日から7連敗を喫するなど失速。さらに9月に入って1日の横浜大洋戦、3日の巨人戦に連敗し、一度は4位まで落ちた。それでも7日から5連勝と息を吹き返し、最後は巨人との争いを制して3位を確保。武上四郎監督の下で2位になった1980年以来、11年ぶりのAクラス入りを果たした。

打っては2年目の古田が、落合博満(中日)との熾烈なバットマンレースの末に、打率.340で首位打者を獲得。四番の広沢克己は99打点で初の打点王、池山は4年連続で30本塁打を突破と「イケトラ」コンビも健在ぶりを印象付けた。また、新外国人のレイは打率.299でベストテン入り。そのレイの加入で二塁から中堅にコンバートされた飯田哲也と17年目の角富士夫が初、古田は2年連続のゴールデングラブ賞を受賞した。

投げては2年目の西村龍次が15勝、3年目の川崎が14勝と飛躍。岡林も主に抑えで起用され、新人王こそ逃したものの12勝12セーブと貢献した。4年目の左腕、加藤博人も自己最多の7勝。前年はプロ入り初のゼロ勝に終わっていたかつてのエース、尾花高夫は5勝を挙げたものの、このシーズンを最後に14年間の現役生活に別れを告げた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
広島東洋カープ
132
74
56
2
.569
2
中日ドラゴンズ
131
71
59
1
.546
3.0
3
ヤクルトスワローズ
132
67
63
2
.515
7.0
4
読売ジャイアンツ
130
66
64
0
.508
8.0
5
横浜大洋ホエールズ
131
64
66
1
.492
10.0
6
阪神タイガース
130
48
82
0
.369
26.0

主なラインナップ(監督:野村克也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
飯田哲也
23
.242
4
26
2(左)
笘篠賢治
25
.249
4
21
3(二)
レイ
34
.299
11
51
4(一)
広沢克己
29
.278
27
99
5(遊)
池山隆寛
26
.269
32
80
6(右)
秦真司
29
.292
16
47
7(三)
角富士夫
35
.235
7
34
8(捕)
古田敦也
26
.340
11
50
9(投)
※先発投手
長島一茂
25
.221
4
18
橋上秀樹
26
.287
5
17
荒井幸雄
27
.222
4
14
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
西村龍次
23
30
15-8-0
2.80
川崎憲次郎
20
28
14-9-1
2.91
岡林洋一
23
45
12-6-12
3.97
加藤博人
22
28
7-11-0
3.96
尾花高夫
34
21
5-8-0
4.35
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
首位打者
古田敦也(初)
最多打点
広沢克己(初)
ベストナイン 捕手
古田敦也(初)
ベストナイン 外野手
広沢克己(3回)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
古田敦也(2回)
ゴールデン・グラブ賞(三塁手)
角富士夫(初)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
飯田哲也(初)
月間MVP(5月度・野手部門)
古田敦也
月間MVP(6月度・野手部門)
広沢克己
最優秀バッテリー賞
西村龍次-古田敦也


1992年
2月1日~19日
第14回ユマ・キャンプ
2月21日~3月4日
第二次キャンプ宮崎県西都市
2月8日~3月1日
宮崎県西都市、川南町ファーム・キャンプ
4月29日
池山隆寛内野手、対阪神4回戦(甲子園)で通算150号本塁打を達成(プロ94人目)
7月19日
古田敦也捕手、オールスター第2戦MVP。同選手はオールスタープロ初のサイクルヒットを達成、コミッショナー特別表彰を受ける。2年連続MVP表彰は史上6人目。
7月29日
ハウエル内野手、対広島15回戦(神宮)でサイクルヒットを記録。外国人選手ではスペンサー内野手(阪急)に次ぎ2人目(プロ44人目)
8月5日
角盈男投手、対阪神15回戦(神宮)で600試合登板を達成(プロ28人目)
8月21日~9月9日
対中日25回戦、17試合連続本塁打のチーム新記録を達成(これまでの記録は87年の15試合連続)
8月30日
ハウエル内野手、対中日23回戦(神宮)で、月間13本塁打の球団新記録を達成。
9月11日
対阪神18回戦(甲子園)は延長15回の末、3-3の引き分けとなったが、試合時間6時間26分は日本プロ野球史上最長時間試合の新記録。
9月16日
角富士夫内野手、対横浜大洋26回戦(神宮)で通算1,500試合出場を達成(プロ104人目)
9月22日
広沢克己内野手、対広島20回戦(神宮)で通算1,000本安打を達成(プロ168人目)
9月27日
広沢克己内野手、対阪神23回戦(神宮)で通算1,000試合出場を達成(プロ308人目)
10月3日
対中日26回戦(神宮)で池山隆寛内野手は、30号本塁打を達成、5年連続30号と自己の球団記録を更新、また古田敦也捕手も30号本塁打を達成、捕手として30号をマークしたのは球団で初めて。
10月10日
飯田哲也外野手は、対阪神7回戦から対阪神26回戦まで連続盗塁成功27個のセ・リーグ新記録(翌シーズンへ継続)
10月10日
対阪神26回戦(甲子園)に5-2で勝利し、14年ぶり2度目のセ・リーグ優勝を飾る。
10月11日
公式戦全日程が終了、最終成績は131試合69勝61敗1分、勝率.531、本塁打数球団新記録173本(これまでの記録は1952年の170本)、観客動員数球団新記録2,477,000人(これまでの記録は1991年の2,311,000人)
10月26日
日本シリーズ第7戦(神宮)で西武ライオンズに1-2で敗れ、3勝4敗で惜しくも“日本一の座”を逃がす。
11月6日~20日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)
12月19日~25日
V2オーストラリア旅行

死闘制し、14年ぶりのリーグ優勝!
「1年目には種をまき、2年目には水をやり、3年目には花を咲かせましょう」その“公約”どおり、野村克也監督就任3年目にして「ID野球」が大きく花開いた。

前半戦終了時点では首位から1.5ゲーム差の3位ながら、後半戦はいきなり敵地・東京ドームで巨人を3タテすると、そこからはトップを快走した。ところが、14年ぶりのリーグ優勝が見えてきた9月、チームを試練が襲う。5日の横浜大洋戦を皮切りに、引き分けを挟んで9連敗で3位に転落。代わりに首位に立った阪神に、この時点で3.5ゲーム差をつけられてしまった。

それでも9月24日の広島戦では、右ヒジ手術と腰痛を乗り越えた荒木大輔が1541日ぶりの復活登板を果たすと、古田敦也の逆転2ランで5対4で勝利。翌日からは阪神に連勝し、首位に返り咲いた。27日からの4連敗で再び3位に後退するも、10月3日の中日戦に先発した荒木が1988年5月以来の勝利投手に。6、7日は本拠地・神宮に阪神を迎え、岡林洋一の完封と荒井幸雄のサヨナラ打で連勝し、トップの座を奪い返した。

そして10月10日の阪神戦。敵地・甲子園の先発マウンドに上がった荒木が5回を1失点で切り抜けると、打線がハウエルの2打席連続アーチなどで援護する。最後は右肩の故障から復活した伊東昭光が締めくくり、死闘を制してついにリーグ優勝。歓喜に沸くナインの手で、野村監督が甲子園の夜空に舞った。

1978年以来となる日本シリーズの相手は、3年連続日本一を狙う西武。その“王者”を相手に、シリーズ史上初となる杉浦享の代打満塁サヨナラ本塁打で先勝するも、その後は3連敗であっという間に王手をかけられてしまう。だが、ここでもペナントレースと同様の粘り腰を見せ、第5戦は延長10回に池山隆寛の決勝アーチ、第6戦も10回に秦真司にサヨナラ弾が飛び出し、これで3勝3敗のタイに持ち込んだ。

本拠地・神宮での最終第7戦も、6回までは1対0とリード。しかし、エース・岡林の熱投むなしく7回に追いつかれると、10回には秋山幸二に決勝犠飛を許して日本一を逃した。それでも全7試合中延長戦が4試合、第4戦からは4試合連続1点差という白熱のシリーズは、全国の野球ファンに大きな感動を与えた。

リーグ優勝の立役者となったのは、首位打者とホームラン王の2冠を獲得し、球団史上2人目のMVPも受賞したハウエル。古田はその強肩とインサイドワークだけでなく、打率.316、30本塁打とバットでも大いに貢献した。また、飯田哲也は33盗塁で球団11年ぶりの盗塁王。投げては岡林が15勝、西村龍次も14勝を挙げ、伊東は7勝でカムバック賞に輝いた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
ヤクルトスワローズ
131
69
61
1
.531
2
読売ジャイアンツ
130
67
63
0
.515
2.0
2
阪神タイガース
132
67
63
2
.515
2.0
4
広島東洋カープ
130
66
64
0
.508
3.0
5
横浜大洋ホエールズ
131
61
69
1
.469
8.0
6
中日ドラゴンズ
130
60
70
0
.462
9.0

主なラインナップ(監督:野村克也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
飯田哲也
24
.294
7
42
2(左)
荒井幸雄
28
.252
5
25
3(捕)
古田敦也
27
.316
30
86
4(一)
広沢克己
30
.276
25
85
5(三)
ハウエル
31
.331
38
87
6(遊)
池山隆寛
27
.279
30
79
7(右)
秦真司
30
.251
15
51
8(二)
パリデス
30
.242
3
12
9(投)
※先発投手
笘篠賢治
26
.257
1
7
城友博
23
.223
0
2
橋上秀樹
27
.227
6
18
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
岡林洋一
24
34
15-10-0
2.97
西村龍次
24
31
14-13-0
3.95
伊東昭光
29
29
7-5-1
2.77
高野光
31
18
7-5-0
4.75
内藤尚行
24
35
5-6-10
3.55
  • 年齢は満年齢


表彰選手

日本シリーズ表彰
敢闘選手賞
岡林洋一
優秀選手賞
飯田哲也
セ・リーグ表彰
最優秀選手
ハウエル(初)
首位打者
ハウエル(初)
最多本塁打
ハウエル(初)
最多盗塁
飯田哲也(初)
ベストナイン(捕手)
古田敦也(2回)
ベストナイン(三塁手)
ハウエル(初)
ベストナイン(遊撃手)
池山隆寛(4回)
ベストナイン(外野手)
飯田哲也(初)
サイクルヒット
ハウエル
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
古田敦也(3回)
ゴールデン・グラブ賞(遊撃手)
池山隆寛(初)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
飯田哲也(2回)
月間MVP(5月度・野手部門)
広沢克己
月間MVP(8月度・野手部門)
ハウエル
カムバック賞
伊東昭光
熱投賞
岡林洋一
会長特別賞
荒木大輔
最多勝利打点
広沢克己
最優秀バッテリー賞
岡林洋一-古田敦也
特記事項
日本シリーズ代打満塁サヨナラ本塁打
杉浦享
(10月17日対西武第1戦(神宮)延長12回、鹿取義隆投手から達成。日本シリーズ史上初めて)


1993年
2月1日~19日
第15回ユマ・キャンプ
2月24日~3月4日
第二次キャンプ宮崎県西都市
2月1日~3月3日
宮崎県西都市、川南町ファーム・キャンプ
3月23日
球団社長に酒井清人氏が就任。
5月8日
飯田哲也外野手、対巨人5回戦(神宮)で1回に盗塁死し、セ・リーグ新記録連続盗塁成功が30個でストップ。
5月19日
池山隆寛内野手は、対広島6回戦(神宮)の3回に満塁、3ランと2打席連続本塁打を放ち、1イニング7打点を記録(プロ2人目)、1951年に飯島滋弥選手(大映)が記録して以来42年ぶり。両チーム合わせて33得点は43年ぶりセ・リーグタイ記録。
6月9日
伊藤智仁投手は、対巨人11回戦(金沢)でセ・リーグタイ記録の16奪三振を記録。
7月12日
オールスターファン投票で古田敦也捕手は、443,095票の両リーグ最多票数で選ばれた。
7月14日
ハウエル内野手、対横浜14回戦(神宮)で今季5本目のサヨナラ本塁打を放ち、日本新記録を達成。
9月12日
池山隆寛内野手は、対広島21回戦(広島)で1,000試合出場を達成(プロ314人目)
9月15日
宮本賢治投手、対阪神21回戦で1,000イニング登板を達成(プロ251人目)
9月16日
山田勉投手は、対広島19回戦(広島)で初完封、セ・リーグタイ記録の毎回の16奪三振を記録。
9月25日
広沢克己内野手、対中日24回戦(神宮)延長10回、23号サヨナラ本塁打を放ち通算200号本塁打を達成(プロ64人目)、広沢克己内野手のサヨナラ本塁打は今季チーム9本目で日本新記録。シーズン14試合のサヨナラ勝利は日本タイ記録。
10月3日
池山隆寛内野手、対横浜24回戦(横浜)で通算200号本塁打を達成(プロ65人目)
10月10日
対横浜26回戦(横浜)に勝利し、対戦成績を22勝4敗とした。同一カードで22勝は球団新記録。
10月15日
対広島25回戦(神宮)に5-1で勝利し、2年連続3度目のセ・リーグ優勝を決めた。
10月18日
今季最終戦、対阪神27回戦(神宮)に勝利し、球団史上最高記録である80勝を記録。最終成績は132試合80勝50敗2分、勝率.615。
10月18日
古田敦也捕手は、3年連続3割打者を保持した。また161安打は1963年に野村克也捕手(南海)が記録した160安打を抜く、捕手シーズン最多安打。
11月1日
日本シリーズ第7戦(西武)で西武ライオンズを4-2で降し、4勝3敗で15年ぶり2度目の“日本一”の座についた。
11月2日
野村克也監督は「正力松太郎賞」に選ばれた。(球団での監督の受賞は1978年の広岡達朗監督に次いで2人目)
11月18日
古田敦也捕手は、セ・リーグの最優秀選手賞に選ばれた。
11月5日~21日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)
12月19日~25日
V3ハワイ旅行

V2達成、西武に雪辱し15年ぶり日本一!
球団史上初の連覇を目指して臨んだシーズン、出足はけっして芳しいものではなかった。開幕から3連敗を喫するなど、10試合を消化した時点では3勝7敗で首位から4.5ゲーム差の5位。しかし、借金を2つに減らして5月に突入すると、3日の中日戦は相手投手のサヨナラ暴投、15日の同カードではハウエルのサヨナラ弾など、劇的な勝利が相次いだ。さらに19日の広島戦は、延長14回の末に新外国人ハドラーのサヨナラ打で17対16の大乱戦にケリ。23日の中日戦にルーキーの伊藤智仁から西村龍次につなぐリレーで勝って、ついに首位に躍り出た。

その後も伊藤が6月に3完封をマークすると、ハウエルは7月までに日本記録を塗り替える5本のサヨナラ本塁打を放つなど、チームは勢いに乗ってトップを快走。8月末には中日の猛追に遭い、9月1日の直接対決に敗れていったんは2位に後退するも、3日の巨人戦に勝って首位の座を奪回すると、その後はトップを譲ることはなかった。そして、マジック1で迎えた10月15日の広島戦に勝利し、神宮のファンの前で球団史上初のリーグ連覇を決めた。

日本シリーズの相手は、前年に続いて西武。敵地・西武球場で1、2戦を連勝すると、舞台を神宮に移した第3戦は敗れたものの、続く第4戦は川崎憲次郎の快投と飯田哲也の好返球で1対0の接戦を制し、早くも王手をかけた。だが、そこから連敗を喫し、日本一の行方は前年と同じく最終第7戦へ。その天下分け目の一戦、四番・広沢克己の3ランで奪ったリードを先発の川崎と守護神・高津臣吾で守り、1978年以来となる日本一の座に登りつめた。

この年、チーム打率リーグトップの打線からは、打率.308の古田敦也(6位)を筆頭にハドラー(.300、7位)、ハウエル(.295、8位)、荒井幸雄(.291、9位)が打撃10傑入り。古田は巧みなリードと史上最高の盗塁阻止率.644も相まってリーグMVPに選ばれ、広沢は94打点で2度目の打点王に輝いた。

投手陣では伊東昭光が5年ぶりの2ケタとなる13勝、西村は11勝で入団以来4年連続の2ケタ勝利。右ヒジ痛から2年ぶりに復活した川崎はシーズンで10勝をマークし、日本シリーズでも2勝してシリーズMVPを獲得した。ルーキーの伊藤はデビューから2ヶ月半で7勝2敗、防御率0.91という驚異的な成績を残し、右ヒジ痛で残りのシーズンを棒に振りながらも新人王を受賞。入団3年目の高津が待望の抑えに定着し、20セーブを挙げたのも大きかった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
ヤクルトスワローズ
132
80
50
2
.615
2
中日ドラゴンズ
132
73
57
2
.562
7.0
3
読売ジャイアンツ
131
64
66
1
.492
16.0
4
阪神タイガース
132
63
67
2
.485
17.0
5
横浜ベイスターズ
130
57
73
0
.438
23.0
6
広島東洋カープ
131
53
77
1
.408
27.0

主なラインナップ(監督:野村克也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
城友博
24
.258
1
26
2(左)
荒井幸雄
29
.291
9
35
3(捕)
古田敦也
28
.308
17
75
4(一)
広沢克己
31
.288
25
94
5(三)
ハウエル
32
.295
28
88
6(遊)
池山隆寛
28
.256
24
71
7(右)
秦真司
31
.239
7
27
8(二)
ハドラー
33
.300
14
64
9(投)
※先発投手
笘篠賢治
27
.272
1
13
飯田哲也
25
.217
2
21
土橋勝征
25
.263
3
16
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
伊東昭光
30
26
13-4-2
3.11
西村龍次
25
26
11-6-1
3.72
山田勉
25
47
10-5-2
3.32
川崎憲次郎
22
27
10-9-0
3.48
高津臣吾
25
56
6-4-20
2.30
  • 年齢は満年齢


表彰選手

日本シリーズ表彰
最高殊勲選手賞
川崎憲次郎
優秀選手賞
飯田哲也
優秀選手賞
高津臣吾
セ・リーグ表彰
最優秀選手
古田敦也(初)
最優秀新人
伊藤智仁(初)
最多打点
広沢克己(2回)
ベストナイン(捕手)
古田敦也(3回)
ベストナイン(一塁手)
広沢克己(初)
ベストナイン(遊撃手)
池山隆寛(5回)
特別賞
最優秀監督賞
野村克也
カムバック選手賞
川崎憲次郎
会長特別賞
ハウエル
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
古田敦也(4回)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
飯田哲也(3回)
月間MVP(5月度・野手部門)
ハウエル
月間MVP(6月度・投手部門)
伊藤智仁
月間MVP(9月度・投手部門)
伊東昭光
JA全農GO・GO賞
5月度・最多奪三振賞
伊藤智仁
6月度・強肩賞
古田敦也
8月度・最多二・三塁打賞
(EXTRA MILER賞)
ハドラー


1994年
2月5日~3月3日
1991年以来3年ぶりの国内キャンプ、宮崎県西都市。
2月8日~28日
一軍に代わって二軍がユマでキャンプ、二軍単独での海外キャンプは初めて。
3月23日
新ユニホームを発表。基本的には従来通りだが、左袖に新マスコット。
3月31日
新マスコットの名称は、一般公募により「つば九郎」と名づけられた。
4月26日
山部太投手、イースタン・リーグの対西武戦でノーヒットノーランを記録。
6月10日
球団創設以来通算2,500勝を達成。初勝利は国鉄時代の1950年3月11日。通算2,500勝3,063敗230分、勝率.449
7月28日
広沢克己内野手が、28日の対広島17回戦(神宮)で1,000試合連続出場を達成(プロ4人目)
8月11日
池山隆寛内野手は、対中日20回戦(ナゴヤ)で通算1,000本安打を達成(プロ179人目)
8月16日
広沢克己内野手が、対阪神21回戦に先発出場し、現役最多の連続出場を1,015試合に伸ばした。
9月4日
伊東昭光投手は、対広島23回戦(広島)で1,000イニング登板を達成(プロ257人)
10月9日
今季最終戦、130試合62勝68敗、勝率.477、引き分けが1試合もなかったのは両リーグ通じ史上初。
10月31日
ベストナインが発表されたが、球団から一人も選出されなかった。1987年以来7年ぶり。
11月2日~7日
2日(出発)~7日(帰国)台湾プロ野球と親善試合のため酒井球団社長を団長に、野村監督、選手32名が台湾遠征。1962年国鉄スワローズと東映フライヤーズが韓国へ遠征して以来。(球団単独では初めて)
11月8日~19日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)
12月15日
病気療養中の松園尚巳前オーナー(ヤクルト本社名誉会長)が午後5時12分心不全のため逝去される。亨年72才。

主力に故障相次ぎ、3連覇ならず
前年、日本一に輝いた主力メンバーはほぼ健在。球団史上初のリーグ3連覇に向け、死角は見当たらないように思えた。本拠地・神宮に阪神を迎えた開幕戦では池山隆寛の2ランで試合をひっくり返すと、広沢克己のタイムリー、古田敦也の犠飛などで加点。初の開幕投手に抜てきされた川崎憲次郎から守護神・高津臣吾につなぐリレーで快勝し、幸先のいいスタートを切った。

突如として暗雲が垂れ込めたのは、その直後のことだった。14日の広島戦でファウルチップを右手に受けた古田が人さし指を骨折。全治2ヶ月と診断されたのだ。それでも代役として先発マスクを託された野口寿浩らの奮闘もあり、4月は勝率5割をキープ。5月4日からは4連勝で2位に浮上した。

ところが古田の復帰が近づいてきた6月初旬、池山が左太ももの肉離れで戦列を離れると、ハウエルも背部筋膜炎で離脱。唯一フル出場を続けていた広沢も左脇腹に痛みを抱えるなど故障禍に苦しめられ、徐々に首位との差を広げられていった。

後半戦に入るとさらに負けが込み、8月11日には4年ぶりの単独最下位に転落。その後は阪神、横浜と最下位脱出をかけて激しい争いを繰り広げた。10月8日の広島戦に勝利し、この時点で全日程を終了していた4位阪神と0.5ゲーム差で、横浜と同率の5位。翌9日、横浜との直接対決となった最終戦にサヨナラ勝ちし、単独最下位を免れて阪神と並ぶ4位でシーズンを終えた。

広沢は8年連続の全試合出場を達成し、5年連続で20本塁打をクリアしたものの、池山はレギュラー定着後初めて出場が100試合を切り、7年連続の20発超えはならず。古田も76試合の出場で自己ワーストの打率.238に終わるなど、主力が軒並み精彩を欠く中、8年目の土橋勝征が12本塁打と存在感を示した。

投手陣では右肩痛から復活した岡林洋一がチームトップの11勝、山田勉は2年連続で10勝をマーク。2ケタ勝利はこの2人だけだったが、3年目の石井一久がチーム最多の54試合に登板し、自己最多の7勝と飛躍した。また、絶対的な守護神に成長した高津は、27セーブポイントで最優秀救援投手のタイトルを手にした。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
130
70
60
0
.538
2
中日ドラゴンズ
130
69
61
0
.531
1.0
3
広島東洋カープ
130
66
64
0
.508
4.0
4
ヤクルトスワローズ
130
62
68
0
.477
8.0
4
阪神タイガース
130
62
68
0
.477
8.0
6
横浜ベイスターズ
130
61
69
0
.469
9.0

主なラインナップ(監督:野村克也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
飯田哲也
26
.290
3
37
2(左)
荒井幸雄
30
.268
2
15
3(右)
クラーク
31
.293
20
53
4(一)
広沢克己
32
.271
26
73
5(三)
ハウエル
33
.251
20
56
6(遊)
池山隆寛
29
.260
19
55
7(捕)
古田敦也
29
.238
3
19
8(二)
土橋勝征
26
.254
12
28
9(投)
※先発投手
野口寿浩
23
.270
0
10
桜井伸一
29
.227
5
22
秦真司
32
.262
9
31
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
岡林洋一
26
22
11-5-0
2.99
山田勉
26
36
10-5-2
3.26
高津臣吾
26
47
8-4-19
2.86
伊東昭光
31
29
8-10-0
4.86
石井一久
21
54
7-5-0
4.08
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀救援投手
高津臣吾(初)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
飯田哲也(4回)
ファイアマン賞
高津臣吾(初)

1995年
2月1日~18日
2年ぶり第16回ユマキャンプ
2月21日~28日
第二次キャンプ宮崎県西都市
2月
神宮球場の外野フェンスとスコアボードの改修工事が終了。スコアボードは大型のカラー映像装置となる。
5月8日
セ・リーグは4月の「月間MVP」を発表、ブロス投手、オマリー内野手の両外国人選手が受賞。球団の選手が両部門を独占したのは制定以来初。
8月12日
オマリー内野手、対中日17回戦(ナゴヤ)で通算100号本塁打を達成(プロ183人目)
8月19日
対巨人20回戦(東京ドーム)に勝利し、100試合消化時点で64勝36敗、勝率.640と球団記録の高勝率。
9月9日
ブロス投手は、対巨人22回戦(東京ドーム)でノーヒットノーランを記録(プロ62人目)
9月29日
金森栄治外野手、対巨人24回戦(神宮)で1,000試合出場を達成(プロ328人目)
9月30日
対巨人25回戦(神宮)に5-0で勝利し2年ぶり通算4度目のセ・リーグ優勝を飾った。
10月13日
対横浜26回戦(横浜)に勝利し通算82勝。全球団に勝利し越して完全優勝を決めた。1978年初優勝した時以来17年ぶり2度目。この時は68勝46敗16分。
10月26日
日本シリーズ第5戦(神宮)でオリックス・ブルーウェーブを3-1で降し、4勝1敗で2年ぶり3度目の“日本一”の座につく。
11月5日~18日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)
12月17日~23日
V4ハワイ旅行

外国人が投打に活躍、日本一奪回!
池山隆寛との「イケトラコンビ」で打線を支えてきた広沢克己がFAで巨人に去り、1992、93年のリーグ連覇の立役者の1人だったハウエルも退団。代わりに前阪神のオマリー、前ロッテのミューレン、そしてユマキャンプでテストしたブロスと契約し、開幕直前には西村龍次を近鉄に放出して吉井理人を獲得するトレードも敢行したが、前評判は芳しいものではなかった。

敵地・東京ドームで迎えた開幕戦は、巨人の斎藤雅樹に完封負け。翌日の第2戦も8回まで桑田真澄に零封されたが、9回先頭の飯田哲也への頭部死球が危険球となり桑田が退場すると、流れがガラリと変わった。慌てて出てきた巨人の救援陣を打ち込んで逆転勝利を飾り、そこから3連勝。4月15日の広島戦からは8連勝で、一気に単独首位に躍り出た。

序盤の快進撃を演出したのが、ブロスとオマリーの外国人コンビだった。4月だけでブロスは4勝0敗、防御率0.95、オマリーは9本塁打、22打点で、ともに月間MVPを受賞。2人の活躍で4月は14勝5敗と大きく勝ち越すと、その後も首位を快走した。

6月に入ると、21日の広島戦でプロ初スタメンに起用されたドラフト3位ルーキーの稲葉篤紀が、初打席初本塁打の鮮烈デビュー。投げては2年目の山部太が4勝を挙げて月間MVPに輝いた。7月には広島の猛追に遭い、11日の時点で1.5ゲーム差まで詰め寄られるも、そこから6連勝で突き放した。

8月は石井一久が4勝、オマリーが打率.376で再び投打の月間MVPを独占。ミューレンも7本のアーチを放つなど、球団新記録の月間17勝で70勝に到達した。そして9月9日の巨人戦でブロスがノーヒットノーランを達成すると、15日にはマジック10が点灯。30日に本拠地・神宮で巨人を破り、2年ぶり4度目のリーグ優勝を決めた。さらには10月13日の横浜とのシーズン最終戦に勝利し、全球団に勝ち越す“完全優勝”も達成した。

2年ぶりとなる日本シリーズの相手はオリックス。神戸で行われた1、2戦に連勝すると、場所を神宮に移した第3戦は土壇場の9回裏にミューレンの同点弾で追いつき、10回裏に池山の3ランでサヨナラ勝ち。王手をかけて迎えた第4戦は延長戦の末に落としたものの、翌日の第5戦は先発ブロスから抑えの高津臣吾につないで勝利し、3度目の日本一に上りつめた。

四番としてチームをリーグ優勝&日本一に導いたオマリーは、リーグMVPと日本シリーズMVPをダブル受賞。前年はケガに泣いた池山と古田敦也は全試合出場を果たし、8月から三番打者に定着した土橋勝征は、プロ9年目で初めて規定打席に到達した。投手陣は16勝でチームの勝ち頭となった山部を筆頭に、ブロス、石井、吉井、伊東昭光と5人の2ケタ勝利を輩出。これは球団史上でも初の快挙だった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
ヤクルトスワローズ
130
82
48
0
.631
2
広島東洋カープ
131
74
56
1
.569
8.0
3
読売ジャイアンツ
131
72
58
1
.554
10.0
4
横浜ベイスターズ
130
66
64
0
.508
16.0
5
中日ドラゴンズ
130
50
80
0
.385
32.0
6
阪神タイガース
130
46
84
0
.354
36.0

主なラインナップ(監督:野村克也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
飯田哲也
27
.253
7
31
2(右)
稲葉篤紀
23
.307
8
40
3(二)
土橋勝征
27
.281
9
54
4(一)
オマリー
35
.302
31
87
5(捕)
古田敦也
30
.294
21
76
6(左)
秦真司
33
.286
9
31
7(遊)
池山隆寛
30
.263
19
70
8(三)
ミューレン
28
.244
29
80
9(投)
※先発投手
宮本慎也
25
.220
0
4
荒井幸雄
31
.253
2
11
真中満
24
.214
1
13
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
山部太
24
31
16-7-0
3.83
ブロス
29
32
14-5-0
2.33
石井一久
22
26
13-4-1
2.76
吉井理人
30
25
10-7-0
3.12
高津臣吾
27
39
1-3-28
2.61
  • 年齢は満年齢


表彰選手

日本シリーズ表彰
最高殊勲選手賞
オマリー
優秀選手賞
ブロス
優秀選手賞
高津臣吾
優秀選手賞
池山隆寛
セ・リーグ表彰
最優秀選手
オマリー
最高出塁率
オマリー
最優秀防御率
ブロス(初)
ベストナイン(捕手)
古田敦也(4回)
ベストナイン(一塁手)
オマリー(初)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
古田敦也(5回)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
飯田哲也(5回)
月間MVP(4月度・投手部門)
ブロス
月間MVP(4月度・野手部門)
オマリー
月間MVP(5月度・投手部門)
山部太
月間MVP(8月度・投手部門)
石井一久
月間MVP(8月度・野手部門)
オマリー
月間MVP(9月度・投手部門)
ブロス
最優秀バッテリー賞
ブロス-古田敦也


1996年
2月1日~19日
第17回ユマキャンプ
2月23日~29日
第二次キャンプ宮崎県西都市
2月1日~28日
宮崎県西都市西都・三財キャンプ(ファーム)
7月26日
対中日17回戦(神宮)9回表無死満塁の場面で三重殺を完成させて試合を終了した。三重殺で試合が終わったのは1969年8月19日南海対ロッテ戦以来27年ぶり。セ・リーグ初。
7月31日
対阪神17回戦(甲子園)で勝利し、対阪神3回戦から同一カード15連勝、セ・リーグでは41年ぶりの快記録。
8月16日
秦真司外野手、対巨人17回戦(東京ドーム)で通算1,000試合出場を達成(プロ336人目)
9月11日
カツノリ、石井弘寿、三木肇の3選手は米フロリダ州での大リーグ教育リーグに参加するため渡米した。
10月9日
9月24日対阪神25回戦(甲子園)2回表から10月9日対横浜26回戦(神宮)4回裏まで49イニング連続無得点(セ・リーグ新記録)
11月1日~21日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)

故障者続出に泣かされ再びBクラス
1992、93年以来のリーグ連覇をかけたシーズンは、本来ならば先発ローテーションを担うべき川崎憲次郎、岡林洋一、石井一久を故障で欠いてのスタートとなった。それでも本拠地・神宮に横浜を迎えての開幕戦は、先発ブロスの好投に飯田哲也、古田敦也らがバットで応えると、最後は守護神の高津臣吾が締めて快勝。連覇に向け好発進したかに見えた。

ところが西武から移籍して正二塁手としてプレーしていた大ベテラン、辻発彦が右手人さし指の骨折で早々に戦列を離れると、代わりにセカンドに入った土橋勝征、宮本慎也もケガで離脱。さらに5月に入ると宮本賢治が右肩痛、伊東昭光は右手骨折とベテラン投手にも故障が相次ぎ、5月半ばからは5位が定位置になっていた。

そんなチームにあって救世主となったのが、佐藤真一とともにダイエーから移籍してきた田畑一也だった。ダイエー時代は4年間で2勝どまりだった田畑は、4、5月に1勝ずつを挙げると、6月には一気に4勝をマーク。気がつけばエース格にのし上がっていた。さらに5月半ばには、右肩痛で長らく一軍マウンドから遠ざかっていた伊藤智仁がセットアッパーとして復活。6月19日の阪神戦では先発ブロスからその伊藤、そして高津につなぐリレーで接戦を制して3位に返り咲き、6月末には貯金を3まで増やした。

だが7月、川崎、宮本慎が復帰する一方で、今度は池山隆寛がアキレス腱炎でリタイア。伊藤も不調に陥って登録を抹消されるなど、チームは4位に後退した。8月になると、6日からの6連勝で4位ながら首位に3.5ゲーム差まで詰め寄ったものの、続く13日の中日戦から7連敗。結局この8月は大きく負け越すと、9、10月も負けが先行し、4位のまま終わった。

辻は4月に右手人さし指を骨折したものの、復帰後は主に三番を打ってリーグ2位の打率.333をマーク。オマリー、稲葉篤紀も打率3割を超え、ミューレンはチーム最多の25本塁打を放った。また、2年目の宮本慎が池山の離脱後、正遊撃手に定着。35歳のベテラン、大野雄次は2本の代打逆転満塁本塁打でその存在をアピールした。

投手陣では12勝の田畑が勝ち頭となり、吉井理人は2年連続で10勝をマーク。一方で前年はそろって2ケタ勝利を挙げた山部太、ブロスがともに精彩を欠き、夏場に復帰した川崎、石井一がそれぞれ0勝、1勝に終わったのも誤算だった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
130
77
53
0
.592
2
中日ドラゴンズ
130
72
58
0
.554
5.0
3
広島東洋カープ
130
71
59
0
.546
6.0
4
ヤクルトスワローズ
130
61
69
0
.469
16.0
5
横浜ベイスターズ
130
55
75
0
.423
22.0
6
阪神タイガース
130
54
76
0
.415
23.0

主なラインナップ(監督:野村克也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
飯田哲也
28
.290
6
37
2(右)
稲葉篤紀
24
.310
11
53
3(二)
辻発彦
38
.333
2
41
4(一)
オマリー
36
.315
18
97
5(捕)
古田敦也
31
.256
11
72
6(左)
土橋勝征
28
.278
6
35
7(三)
ミューレン
29
.246
25
67
8(遊)
宮本慎也
26
.273
1
13
9(投)
※先発投手
池山隆寛
31
.268
7
29
秦真司
34
.241
6
17
佐藤真一
31
.194
2
7
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
田畑一也
27
33
12-12-1
3.51
吉井理人
31
25
10-7-0
3.24
ブロス
30
23
7-12-0
3.61
山部太
25
20
7-4-0
4.00
高津臣吾
28
39
2-6-21
3.24
  • 年齢は満年齢


表彰選手

特別賞
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
飯田哲也(6回)

1997年
2月1日~20日
第18回ユマキャンプ
2月21日~28日
第二次キャンプ宮崎県西都市
2月1日~28日
宮崎県西都市西都・三財キャンプ(ファーム)
3月25日
球団社長に田口周氏が就任。
4月4日
今シーズンより公式戦が130試合から135試合に変更となる。
5月5日
池山隆寛内野手、対中日6回戦(神宮)で250本塁打を達成(プロ37人目)
5月7日
古田敦也捕手、対巨人4回戦(神宮)で100本塁打を達成(プロ190人目)
9月2日
石井一久投手、対横浜23回戦(横浜)でノーヒットノーランを記録(プロ65人目)
9月23日
吉井理人投手、対広島22回戦(広島)で、1,000投球回数を達成(プロ274人目)
9月28日
対阪神27回戦(神宮)を16-1で大勝し、2年ぶり5度目のセ・リーグ優勝を決める。開幕から一度も首位の座を明け渡す事なく優勝を決めたのは、35年ぶり史上5チーム目(最終成績83勝52敗2分、勝率.615)
10月3日
古田敦也捕手、対広島24回戦(広島)で1,000本安打を達成(プロ186人目)
10月28日
日本シリーズ第5戦(神宮)で西武ライオンズを3-0で降し、4勝1敗で2年ぶり4度目の“日本一”の座についた。
11月
古田敦也捕手は『正力松太郎賞』に選ばれ、同時に今季の最優秀選手賞も受賞。
11月5日~21日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)
12月16日~22日
V5ラスベガス旅行

球団初の完全独走Vで4度目の日本一!
野村克也監督就任8年目のシーズンを迎え、開幕前は苦戦が予想されていた。ところが敵地・東京ドームに乗り込んでの開幕戦で“伏兵”のバットが火を噴く。前年限りで広島を自由契約になったかつての新人王・小早川毅彦が、4年連続開幕戦完封勝利を目指す巨人のエース・斎藤雅樹から、なんと3打席連続ホームラン。前年は完璧に抑え込まれた“天敵”を打ち崩して快勝すると、翌日も勝って開幕カード勝ち越しを決めた。

さらに本拠地・神宮で広島との3連戦も勝ち越すと、続く11日の中日戦からは破竹の9連勝で抜け出した。この間、4月16日の横浜戦で野村監督が通算1000勝を達成。投げては高津臣吾とダブルストッパーを形成した伊藤智仁が3勝を挙げ、田畑一也、吉井理人の2本柱を中心に先発陣も健闘。打っては稲葉篤紀が5ホーマーと打線を引っ張った。

4月26日から6連敗を喫し、2位の広島に1ゲーム差まで接近されるも、5月4日の中日戦で5点のビハインドをひっくり返して連敗をストップ。5月は古田敦也が月間MVPになると、6月は新外国人のホージーと田畑で投打の月間MVPを独占。チームは6月3日からの10連勝で、一気に突っ走った。

後半戦に入り、広島に代わって猛追してきたのが横浜だった。その横浜に8月19日からの直接対決で3タテを喫すると、続く広島戦にも連敗してゲーム差は2.5に。だが、優勝に向けての天王山となった9月2日の横浜戦で、左肩手術から復活した石井一久がノーヒットノーランを達成。翌日の同カードも勝ってマジック21が点灯した。そこからは順調にマジックを減らし、9月28日の阪神戦に大勝して2年ぶり5度目のリーグ優勝が決定。開幕から1度も首位の座を明け渡すことなく優勝を決めたのは史上5チーム目、球団としては初の快挙だった。

日本シリーズの相手は、1992、93年に次いで3度目の顔合わせとなる西武。第1戦は石井の完封で先勝するも、続く第2戦は5点差を追いつきながら、延長10回にサヨナラ負けを喫した。しかし、神宮に舞台を移して連勝すると、王手をかけて迎えた第5戦は石井を中継ぎに起用し、最後は高津で締めくくる必勝リレーで勝利。4度目の日本一となった。

8月にも月間MVPを獲得したホージーは、シーズン38本塁打で松井秀喜(巨人)との争いを制してホームラン王に。古田は不動の正捕手として投手陣をチーム防御率リーグNo.1に導いただけでなく、5月下旬からは四番に座ってリーグ3位の打率.322をマークする活躍で、リーグMVPと日本シリーズMVPをダブル受賞した。投げては田畑がチームトップの15勝を挙げ、吉井は自己最多の13勝で3年連続2ケタ勝利。チーム最多の19セーブを記録した伊藤は、カムバック賞に輝いた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
ヤクルトスワローズ
137
83
52
2
.615
2
横浜ベイスターズ
135
72
63
0
.533
11.0
3
広島東洋カープ
135
66
69
0
.489
17.0
4
読売ジャイアンツ
135
63
72
0
.467
20.0
5
阪神タイガース
136
62
73
1
.459
21.0
6
中日ドラゴンズ
136
59
76
1
.437
24.0

主なラインナップ(監督:野村克也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
飯田哲也
29
.306
3
37
2(右)
稲葉篤紀
25
.267
21
65
3(左)
ホージー
30
.289
38
100
4(捕)
古田敦也
32
.322
9
86
5(一)
小早川毅彦
36
.249
12
33
6(二)
土橋勝征
29
.301
8
61
7(三)
池山隆寛
32
.276
18
79
8(遊)
宮本慎也
27
.282
1
33
9(投)
※先発投手
辻発彦
39
.262
2
18
テータム
30
.309
13
25
真中満
26
.338
3
19
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
田畑一也
28
26
15-5-0
2.96
吉井理人
32
28
13-6-0
2.99
石井一久
24
18
10-4-0
1.91
高津臣吾
29
51
7-4-7
2.04
伊藤智仁
27
34
7-2-19
1.51
  • 年齢は満年齢


表彰選手

日本シリーズ表彰
最高殊勲選手賞
古田敦也
優秀選手賞
石井一久
優秀選手賞
池山隆寛
優秀選手賞
稲葉篤紀
セ・リーグ表彰
最優秀選手
古田敦也(2回)
最多本塁打
ホージー(初)
ベストナイン(捕手)
古田敦也(5回)
ベストナイン(外野手)
ホージー(初)
特別賞
最優秀監督賞
野村克也
カムバック賞
伊藤智仁
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
古田敦也(6回)
ゴールデン・グラブ賞(内野手)
宮本慎也(初)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
飯田哲也(7回)
月間MVP(5月度・野手部門)
古田敦也
月間MVP(6月度・野手部門)
ホージー
月間MVP(6月度・投手部門)
田畑一也
月間MVP(8月度・野手部門)
ホージー
月間MVP(9月度・野手部門)
古田敦也
月間MVP(9月度・投手部門)
石井一久
最優秀バッテリー賞
田畑一也-古田敦也


1998年
2月1日~22日
第19回ユマキャンプ
2月23日~3月2日
第二次キャンプ宮崎県西都市
2月1日~3月6日
宮崎県西都市西都・三財キャンプ(ファーム)
4月22日
対中日5回戦(神宮)1回裏、最多連続安打10(プロ野球新)、1イニング13得点(セ・リーグタイ)を記録。
6月2日
古田敦也捕手、対中日9回戦(ナゴヤドーム)で1,000試合出場を達成(プロ343人目)
6月6日
辻発彦内野手、対広島10回戦(盛岡)で1,500試合出場を達成(プロ122人目)
6月16日
球団オーナーに松園直已氏が就任
7月14日
川崎憲次郎投手、対阪神13回戦(神宮)に先発し1,000投球回数を達成(プロ277人目)
7月27日
池山隆寛内野手、対広島19回戦(神宮)で1,500試合出場を達成(プロ124人目)
8月25日
飯田哲也外野手、対広島22回戦(神宮)で1,000試合出場を達成(プロ347人目)
10月9日
飯田哲也外野手、対阪神27回戦(神宮)で1,000本安打を達成(プロ193人目)
11月6日~21日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)

川崎最多勝も再びBクラスで野村監督退任
球団史上初の2年連続日本一に四たび挑んだシーズンは、出だしから暗雲に包まれた。本拠地・神宮に巨人を迎えての開幕戦で、チームの大黒柱である古田敦也が負傷。この試合を落とすと、古田不在のまま臨んだ2戦目、3戦目も敗れ、開幕3連敗という苦しいスタートになった。

それでも4月7日の横浜戦で田畑一也がチームに初白星をもたらし、11日の中日戦で古田がスタメン復帰すると、翌12日の同カードでは川崎憲次郎が完封勝利。しかし、続く15日の阪神戦から6連敗を喫し、最下位にどっぷりと沈んでしまった。

反撃に転じたのは5月半ばになってから。13、14日の広島戦に田畑の完投と度会博文のサヨナラ弾で連勝すると、翌15日は川崎が2度目の完封で3連勝。さらに23日の中日戦で4年目の北川哲也がプロ初勝利を挙げたのを機に4連勝、6月3日からも3連勝を飾ると、12日の巨人戦を小早川毅彦の3ランなどでモノにして、ついに最下位から抜け出した。

この6月は池山隆寛が月間MVPに輝くなど、11勝8敗と勝ち越し。7月になると、2年目の副島孔太が19日の巨人戦で延長12回に決勝2ラン、27日の広島戦からは2試合連続猛打賞と随所で活躍し、チームは2ヶ月連続の勝ち越しで4位に浮上した。

その勢いは8月になっても止まらず、途中入団のアンソニーが18日中日戦のサヨナラ2ラン、29日同カードの満塁弾など月間6本のアーチを放ち、14勝9敗と大きく勝ち越し。25日からは7連勝で、シーズン初の3位に進出した。だが、直後の5連敗でAクラスから脱落すると、その後は4位が定位置に。9月21日には野村克也監督の退団が発表され、最終戦の勝利を花道に9年間の長期政権にピリオドが打たれた。

川崎は右ヒジ痛から完全復活し、自己最多の17勝で最多勝、沢村賞を獲得。石井一久も自己最多の14勝、241奪三振で奪三振王のタイトルを手にした。また、先発再転向の伊藤智仁は勝ち星こそ6勝止まりだったが、リーグ3位の防御率2.72をマークした。

打線は打率、本塁打とも池山の.275、18本がトップ。古田は打率3割を切り、ホージーも13本塁打にとどまるなど、前年の日本一の立役者が揃って成績を落としたのが大きく響いた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
横浜ベイスターズ
136
79
56
1
.585
2
中日ドラゴンズ
136
75
60
1
.556
4.0
3
読売ジャイアンツ
135
73
62
0
.541
6.0
4
ヤクルトスワローズ
135
66
69
0
.489
13.0
5
広島東洋カープ
135
60
75
0
.444
19.0
6
阪神タイガース
135
52
83
0
.385
27.0

主なラインナップ(監督:野村克也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
飯田哲也
30
.283
1
28
2(右)
真中満
27
.275
5
27
3(二)
土橋勝征
30
.259
9
52
4(捕)
古田敦也
33
.275
9
63
5(三)
池山隆寛
33
.275
18
59
6(左)
ホージー
31
.233
13
42
7(一)
副島孔太
24
.266
8
38
8(遊)
宮本慎也
28
.258
1
25
9(投)
※先発投手
度会博文
26
.263
4
12
アンソニー
31
.245
12
31
稲葉篤紀
26
.279
5
23
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
川崎憲次郎
27
29
17-10-0
3.04
石井一久
25
28
14-6-0
3.30
山本樹
28
35
7-2-3
2.03
伊藤智仁
28
29
6-11-3
2.72
廣田浩章
34
52
4-2-7
2.56
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多勝利
川崎憲次郎
最多奪三振
石井一久
特別賞
沢村栄治賞
川崎憲次郎
月間MVP(6月度・野手部門)
池山隆寛
優秀MEP賞
川崎憲次郎

1999年
2月1日~19日
第20回ユマキャンプ
2月23日~3月4日
第二次キャンプ・宮崎県西都市
2月1日~3月6日
宮崎県西都市西都・三財キャンプ(ファーム)
4月17日
高津臣吾投手、対阪神2回戦(福岡ドーム)100セーブを達成(プロ10人目)
4月30日
高橋智外野手、対横浜4回戦(神宮)通算100号本塁打を達成(プロ203人目)
7月22日
対横浜戦・両チーム合わせ32の最多打点を記録(セ・リーグ新)
8月6日
佐藤真一外野手、対阪神17回戦(神宮)25試合連続安打(チーム新)
9月11日
ペタジーニ内野手、対中日戦(ナゴヤドーム)にて97四球(チーム新記録)を達成。
10月7日
ペタジーニ内野手、対広島戦において43本塁打を達成と同時に年間塁打数300台のチーム新記録を達成。
10月13日
高津臣吾投手、対横浜戦にて30セーブを達成(チーム新)
11月5日~21日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)

若松監督誕生、ペタジーニが本塁打王に
チームを9年間率いた野村克也前監督に代わり、前年まで打撃コーチを務めていた若松勉が監督に就任。現役時代に「ミスター・スワローズ」と称された生え抜きの新監督の下、ユニホームも一新して生まれ変わった燕ナインは、球団史上でも例を見ない好スタートを切った。

4月2日の開幕戦、池山隆寛とペタジーニ、スミスの新外国人コンビによるアーチの競演で横浜を下すと、翌日の2戦目も接戦を制して連勝。3戦目は新外国人のハッカミーが来日初勝利を挙げ、本拠地・神宮に舞台を移した7日の巨人戦はオリックスから移籍の高橋智がサヨナラ本塁打を放ち、球団史上初の開幕4連勝を飾った。

だが、快進撃もそこまでだった。4月9日からの5連敗であっという間に貯金を吐き出すと、4月末の時点で借金3を抱えて4位。5月は12勝10敗と勝ち越して3位に返り咲くも、6月に8勝15敗と大きく負け越し、Bクラスが定位置になってしまった。

低迷の原因はこの年も、投打の主力に故障が相次いだことだった。それでも7月はペタジーニが打率.509、8本塁打と打ちまくって月間MVPに輝き、チームも9勝7敗と勝ち越し。池山の故障で3年目の岩村明憲が正三塁手となり、ベテランの佐藤真一が三番打者に定着すると、投げてはハッカミーと移籍2年目の高木晃次が先発陣を引っ張った。

一時は最下位まで落ちながら、7月末には4位まで巻き返したものの、それが精一杯だった。終わってみれば前年とまったく同じ66勝69敗で2年連続の4位。1993年以降は奇数年で必ず優勝してきた“ジンクス”もついえた。

球団新記録の44ホーマーで本塁打王に輝いたペタジーニは、打率も.325でリーグ4位にランクイン。真中満が同6位の.308、古田敦也も2年ぶりに3割台に乗せた。佐藤は25試合連続安打の球団新記録を樹立し、規定打席には届かなかったもののいずれも自己ベストの打率.341、13本塁打。高橋も規定打席未満ながら打率.293、16本塁打と気を吐いた。

投手陣ではハッカミーが12勝で、チーム唯一の2ケタ勝利をマーク。前年までプロ12年間で通算8勝の高木がいきなり9勝を挙げ、防御率3.79でリーグ8位に食い込んだのも光った。また、抑えとして復活した高津臣吾が31セーブポイントで最優秀救援投手となり、球団史上初の通算100セーブも達成した。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
中日ドラゴンズ
135
81
54
0
.600
2
読売ジャイアンツ
135
75
60
0
.556
6.0
3
横浜ベイスターズ
135
71
64
0
.526
10.0
4
ヤクルトスワローズ
135
66
69
0
.489
15.0
5
広島東洋カープ
135
57
78
0
.422
24.0
6
阪神タイガース
135
55
80
0
.407
26.0

主なラインナップ(監督:若松勉)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
真中満
28
.308
7
46
2(遊)
宮本慎也
29
.248
1
24
3(左)
佐藤真一
34
.341
13
48
4(一)
ペタジーニ
28
.325
44
112
5(捕)
古田敦也
34
.302
13
71
6(右)
スミス
29
.259
20
55
7(三)
岩村明憲
20
.294
11
35
8(二)
馬場敏史
34
.251
0
14
9(投)
※先発投手
池山隆寛
34
.221
8
23
土橋勝征
31
.250
1
9
高橋智
32
.293
16
43
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
ハッカミー
29
26
12-6-0
4.50
高木晃次
31
27
9-8-0
3.79
石井一久
26
23
8-6-0
4.80
伊藤智仁
29
17
8-3-0
2.28
高津臣吾
31
40
1-1-30
2.18
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多本塁打
ペタジーニ(初)
最高出塁率
ペタジーニ(初)
最多勝利打点
ペタジーニ(初)
最優秀救援投手
高津臣吾(2回)
ベストナイン(捕手)
古田敦也(6回)
ベストナイン(内野手)
ペタジーニ(初)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
古田敦也(7回)
ゴールデン・グラブ賞(内野手)
宮本慎也(2回)
月間MVP(7月度・野手部門)
ペタジーニ
優秀MEP賞
ペタジーニ